D 格付けも、ムーディーズなどの海外の格付け会社によるものと、日本国内のものとありますよね。日本国内のものでも結構厳しいものなのです。でも、それでやっていると、CBにはもうだれも投資できないと言うのです。ですから、今、CBはもうむちゃくちゃなのです。今日もちょっと原稿をつくってきたのですが、もう本当にこの1年間、1月から9月まででCBといったら9銘柄ぐらいしか新規に出ていなくて、今月で上場廃止になった銘柄が40何個という、バブルのときにつくったものがどんどん出ていっているわけです。
宮島 要するに、償還を迎えていて、借り換えできないから再発行できないということですね。
D 今ピークなのです。
宮島 そうですね、全く過日の面影はないという感じですね。
D 株が安くなったら、もうこんなですね。
宮島 というのが私がやったものですけれども、ベンチャーでお金がいかないというのはこれまた別の次元の話ですね。これはこれで大問題です。アメリカのシリコンバレーでベンチャーキャピタルという話になっていくと、まず貯蓄の構造から違いますから、それを考えないとだめですね。アメリカはかなり多額のリスクマネー、つまり豊かな人がいますから、リスクをかなりとれるような資金というのがあって、これがベンチャーキャピタリストのところにいくわけですけれども、日本は、1,200兆円の資産の大体5割以上が預金にいっていて、余裕資金とはいえ、リスクをとるような資金は少ないですから、出資するところではそのリスクをある程度分散するようなメカニズムが必要で、このメカニズムをどうやってつくるかというのがまず一つの問題です。それからあとは、アメリカで言えば、ベンチャーキャピタリストというのは、単純に投資するのではなくて、お金がなくて知識があるという人間を世話して育てていくという能力を持っていなければいけないわけですけれども、この能力をいかに培っていくかというのがかなり問題です。それは今、非常に問題だと思います。僕も通産省で中小企業法制の研究会に加わる機会がありましたが、いろいろなところに問題があります。法制的な問題もありますし、それから貯蓄構造の問題もありますし、現在、日本経済の直面する中でも早急に解決を要する問題です。僕はもともと歴史出身なので、かなり長いスパンでものを見て