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行とおっしゃいましたが、不動産建設もあります。それで、これは株価は非常に安いわけです。例えば長谷工などというのは30円ぐらいで、だから多分30億か50億あると長谷工が乗っ取れるのではないかと思うのです。私は持っていませんけれども。(笑)もし50億あれば長谷工を買えて、長谷工だったらマンションの100戸ぐらい在庫であるはずですから、そうするとマンション1戸1,000万で、いいのではないかと思うのですが、だれもそうしないのは、帳簿がでたらめで、何が隠れているかわからないということだと思うのです。だから、まさにポイズンですね。銀行も不動産も建設も、経営状態にまさにポイズンがあって、乗っ取りができないようになっているわけです。これが最大の問題で、もしポイズンのない帳簿にすれば、こういう企業は税金投入しないで民間が乗っ取ればいいわけですね。それで全部リストラをしてやればいいわけですけれども、そういうポイズンがある。いろいろなポイズンが入っているわけです。例えば労働協約などもポイズンです。なぜそういうポイズンがあるかというと、いろいろな意味での会計制度が不備で、経営者の約束が表になっていない。だから、それが最大のモラルハザードを引き起こしているのではないかと思います。ちょっといっぱい質問して申し訳なかったです。

宮島  いずれも的確なご質問でありがとうございます。1個目は、これは痛いというやつで、必ずどこで報告しても出る質問で、ぺーパーのほうは一応注が付けてあります。2ぺージの注の4です。そこでは、これは重要な問題であるとした上で、若干エクスキューズが書いてあります。もちろん、この時期の資金調達を行う場合に、増資と負債の選択問題がある。ここでは企業にビジネスチャンスがあって、その実現には内部資金で足りなかったら、まず増資か負債かを選択する、そして、それが決まったら今度は負債選択の中で、借り入れか社債かを決めるという順序を規定する。そしてここでは、増資か負債かの選択はスキップして、負債のところにいって、その土俵の中でこういう話をやっているというわけですから、当然質問が出るわけです。一応のエクスキューズは、この時期の外部資金の調達からすると、増資それ自身は18%で、残りの80%程度が借入か社債なのです。エクイティー・リレーテッド・ファイナンスですから転換社債とかワラント債は多いのですけれども、増資そのものは相対的にそんなに比重は高くない。これが一つのエクスキューズで、もう一つは増資と負債の選択は、経済理論ですと、増資することによってテーク・オーバーの可能性が生ずる点が重要ですが、─この選択

 

 

 

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