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場合と、銀行から借り入れた場合という選択だと思うのですけれども、それ以外のいろいろなエクイティーファイナンスがあるわけです。そうすると、そのいろいろなエクイティーファイナンスと社債と銀行借入と、その3つの関係はどうなるのかというのが、まず1点です。ちょっとテクニカルな質問ですけれども。

それから、事前的に合理的であったというのはそのとおりだと思うのですが、ただあのときはバブルで、株価自体が不合理だった。だから、事後的に考えれば非合理だったのだという考え方もできると思うのです。そうすると、それは後から見てあいつはばかだったと批判するのはルール違反だということも言えますけれども、ではあのときに正しい株価がついていたのかということについても、それは本当なのかなという素朴な疑問も感じるのです。確かに、あのときの株価が合理的であれば、当然株価が高ければ何でもできます。エクイティーファイナンスできるわけですから、株価が高い企業がいっぱい資金を調達しでいたということで、それがそういう証明になるのかどうかということが、2つ目です。

それから、多少マイナーというか、研究とあまり関係ないこともお聞きしたいのですが、土地担保融資への傾斜というのは、私、十分な担保があって、それでモニターも何もしないで貸すというのは、極めて合理的な行動だと思うのです。具体的な名前はあれですが、日本の某銀行の方が、ちょうど80年代の終わり頃、「香港の銀行というのは何も見ないで担保だけ見て金を貸して、こんなものは銀行家のやり方ではないんだ。あいつらは何もわかっていない」とおっしゃっていました。私はただ酒を飲ませてもらっていたものですから、「いや、おっしゃるとおり」とか言ってしまったのですが、(笑)とんでもないことですね。日本の銀行こそ何もわかっていないわけで、確かに香港は十分な担保をとって貸して、返せないと、では出ていけと言って担保を売って終わりなのです。これは極めて合理的なシステムで、日本だってそうやっていれば何の問題もないわけで、だからむしろ事業に入れ込んでしまう。むしろ相手の事業を自分はわかるといううぬぼれを持って入れ込んでしまうからいけないのであって、担保だけ見て何もしなければ、極めて合理的なやり方なのではないかと思うのです。皆さん担保重視がいけないとおっしゃるので、そのことについて教えていただきたいと思います。

それからもう1点、資本市場の規律は要らないというか、これ以上強める必要はないということですけれども、製造業についてはそうなのかもしれませんけれども、あと銀

 

 

 

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