3. 質疑応答
司会者 どうもありがとうございました。今、宮島先生は、日本の企業金融とガバナンスの構造の変化について話していただきました。
簡単に整理させていただきますと、まず、オイルショック以後は、日本の企業は高度成長経営が終わり、ほとんど減量経営になった。この減量経営は日本の企業金融にどういう影響を及ぼすか。宮島先生のお話では、そうすると分化して、一部は直接社債発行といった金融に傾く、一部はまだ間接金融依存ということで、そのなかで、直接金融に傾いたところは大体収益が高い、リスクが低い。依然としてメインバンク、間接金融に依存しているのは、大体は収益が低い、リスクが高いといった企業で、そうするとモラルハザードというか、今日の大問題の不良債権の要因の一つになるのではないかというような結論です。
もう一つは、このような状態で、企業経営の環境が変わる。環境が変化すると、企業経営にはどういう影響を及ぼすか。宮島先生は、必ずしもメインバンクのモニター機能が低下することによってモラルハザードだという結論はちょっと出せないのではないかというご意見でした。最後に、これからの日本のコーポレート・ガバナンスということについての見通しをお話になりました。
大体はこういう内容ですが、何かご質問がございますか。必ずしも論文報告に関してだけではなく、例えばもっと幅広い企業金融のことについても、あるいは日本的な企業経営、コーポレート・ガバナンスについてもご質問があればどうぞ。大体時間の予定としては8時までですが、多少過ぎてもかまいません。はい、
どうぞ、Aさん。
A 非常に大変な作業で、非常に興味深い結果をいろいろ出されていると思います。経営者の交代の話もおもしろかったですけれども、前のほうの、銀行がだんだんリスクの高いものしか残ってこなかったというのも非常におもしろい発見で、それも大変な手間をかけられて、非常に貴重な実証分析をされたということで、まさにペインフルとおっしゃっていましたけれども、(笑)非常にペインフルな研究で、敬意を表したいと思います。
それで、ちょっといくつか関係なくばらばらと質問させていただきたいのですけれども、まず3ページのメッセージのところで社債が無担保転換社債でファイナンスした