に負債選択を表す変数を入れております。さっき言いましたFFO企業群ですと、無担保転換社債、これが救済オプションなし負債ですから、これの総負債─この場合はボンドと借入の合計値で計算しています─に占める比率をとります。それからLFO企業群というのは、救済オプションなし負債、つまり無担保転換社債は発行できないですから、救済オプション付きの社債を分子にして総負債で割っている。これで、どれくらい社債に依存したか、救済オプションなし、あるいは救済オプションの弱い負債に依存したかというのを求めてやろうということです。
これが被説明変数になります。なお、この被説明変数は、バブルが終わったとき、つまり1989年度末負債比率をとっています。そして、説明する側をどう設定するかというと、これは変化率の形にしたいので、この変数の1984年度末の数値を入れておいてやります。そうすると、これでコントロールして変化の部分だけ取り出すことができる。その上で、リスクの代理変数と、将来収益の代理変数と、それから担保の変数を入れてやって、それでリスクが高ければ救済オプション負債を選好する、それから将来収益が高ければ救済オプションなし負債を選好するという関係が本当に見られるかどうかをテストしたわけです。左辺第2、第3項が期待収益の代理変数で、これはテクニカルにはちょっとややこしいのですが、資産のところは時価換算したもので、ここで時価換算もしますから、TobinのQが計算できて、TobinのQが将来収益の代理変数、デッドアセットレシオ、負債比率がリスクの代理変数で、この両者と負債選択がどういう関係にあるかをテストします。
結論はいたって簡単です。期待されるとおりの結果が得られて、リスクに対してはマイナス、それからQに対しては有意にプラス。ですから、将来収益が高い企業は、社債に依存し、救済オプションなし負債に依存する。それから、リスクが高い企業は、救済オプションが欲しいというわけで、この比率が低いという関係が、統計的に確認できたということです。
以下、同じ計測をLFO企業についても試みました。それからこの負債選択に対して企業のガバナンスの構造、メインバンク関係か強いとか、関連事業会社であるとか、あるいはオーナー企業であるかとかというものを入れて計算もしております。
一例を報告させていただきますと、次のぺージをお願いできますか。この推計ではガバナンス構造を示すある種のダミー変数を導入しています。つまり、一定の定義に従っ