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よりもロシアの方を信用したわけです。ロシアを信用してもやはり損してしまったのですけれども、日本政府を信用したらもっと損するだろうと思っているということなのです。ここに問題の本質があると思うのです。だから、不良債権の額はこれだけだということと、それからもう一つ不良債権があって、それは銀行の労働協約です。だから、つぶれれば、労働協約を無視して気に入った人だけを雇って、しかも感謝される。ところが、生きている限り、首にするのは大変だし、給料を下げるとみんなぶつくさ言って働かない。でも、一度首にしてしまえば、文句を言わずに働くし、みんな感謝するわけです。ですから、労働協約を破棄できるというか、もう破棄しなくてはいけないと思うのです。けれども、どうやったら破棄できるのかわかりませんけれども、まず政府が強制的に破棄できるようにするべきだと思います。それで不良債権を明らかにして、公開入札をすれば、買う人はいると思うのです。

例えば、キャッシュフローの潤沢な会社というのはいくらでもあるわけで、例えば任天堂が銀行をやってもいいわけですし、そういう会社というのは、例えば住友信託は正常債権だけ引き継ぐと言っているわけです。正常債権だけ引き継ぐのだったら、だれでもできる商売ですから、任天堂がやったってできるわけです。正常債権を引き継ぐというのは、社債管理会社と同じです。だから、任天堂が郵便局の職員をスカウトすれば、できるのです。だから、そうやってやればいいわけです。問題は、まさに危ない債権です。危ない債権は、危ない人に売ったらいいと思うんです。やくざに売って、やくざ同士で取り立ててもらう、もうこれしかないんじゃないかと思うのですが、(笑)いかがでしょうか。

糸瀬  すごく共感を覚えますね。外資がなぜ日本の銀行を買わないのだろうというテーマでこの間メリルリンチの人と話したのですけれども、山一証券はつぶれた後だけど、山一はそれなりのフランチャイズがあるという判断でメリルリンチが買って、メリルリンチ日本証券をつくりましたね。日産生命ですら買いましたよね。それで、銀行はどうかというと、東大卒を中心にあれだけ優秀な人がいて、その人が一人でマーケットにいくと、1,000万とか2,000万の市場価値がつく。ところが、そうした人材が2,000人もいる長銀というところをだれも買おうとしないというのはなぜだろうという話をしていたのです。それで、結局理由は、今、Bさんがおっしゃった帳簿がでたらめだから、つまりプライスの付けようがないのです。だから、さっき言ったディスクローズのプロ

 

 

 

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