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気回復の担い手とはなり得ないというのを結果的に我々はレッスンとして学んだと思うのです。そうすると、本当に次の業界はどこかというところにポイントがあって、本当の意味で産業の主役を代わらせるという構造改革に取り組まなければならないと思います。そこに対してやはりそれなりのお金は使わなくてはいけないし、それと個人的にむしろ懸念しているのは、株価よりも失業者のことで、失業者対策に本格的に取り組んでいかないといけないと思うのです。それで、そういった意味で梶山さんの論文というのはかなりそこまで踏み込んでいて、グランドデザインとして、個人的にはあの論文はよくできていると思います。民主党、自由党というのは実はそこがすごく詰めが甘くて、金融のところだけで終わっているようです。

A  例えば、銀行の再編をこれで進めていくということになりますと、人のリストラだけではなくて、持っている優良資産のリストラも始まります。NTTとか東芝とか日立とかが腐るほど持っている資産をどんどん売っていかなければならない。これは株式市場に対する売り圧迫で株価は下がる。下がれば問題はもっと深刻化していきます。だから、この悪循環を好循環に切り換えるたった一つの決め手は、私は心臓部、株式市場を救済するようなことをやらないとだめだという気がいたします。

司会者  どうぞご自由に議論していただきたいと思います。

どうぞ、Bさん。

B  公的資金で資本注入をするという意見だったと思うのですが、債務超過になっているわけですから、債務超過の額が非常に大き過ぎて、なかなか民間でできないのかもしれませんけれども、よく言われる1,200兆円の金融資産というのがもし本当にあるならば、企業が新たに銀行を買収すればいいと思うのです。例えば、長銀というのは今、株が10円ぐらいで2億株だと思います。そうしますと、40億円で長銀を買収できるのです。40億円といいますと、私にとっては極めて大変な金額ですけれども、(笑)普通のお金持ちにとっては大した金額ではなくて、青山商事は200億円をロシアの国債に投資して損したといいますから、それだったら、長銀に投資して損しても、長銀の頭取にはなれるのですね。(笑)だから、20億円で頭取になれますよと、ベンチャーキャピタルでもうけた人に言って、帽子を持って頭取をやりませんかと言えば、やる人はいると思うのです。なぜやらないかというと、要するに帳簿がでたらめだということです。ですから、これは帳簿が正しいということです。つまり、青山商事の社長は、日本政府

 

 

 

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