3. 質疑応答
司会者 非常にプロパガティブにお話いただきまして、ありがとうございます。
いかがでしょう。皆さん意見はおありだと思うのですけれども、ちよっと時間の関係もございますので……。Aさん、もし何かありましたら、どうぞ。
A 糸瀬先生と同じように、私もああいう業界に身を置いていた者として、大変整理されたお話で、勉強させていただきまして、ありがとうございました。私は国会の委員会の中でいろいろな質問をしてきましたけれども、糸瀬先生は、法案成立後については大体いい方向にいっているという評価をなさっているようですけれども、私は今度の金融再生論議というのは、失礼な言い方ですけれども、ある一面をとらえますと、与党も野党の袋小路の中に入り過ぎてしまっている。袋小路というのは出口がなくて、そこの袋小路の限界というのは、負けたほうは出てこられない、勝ったほうも出てこられない、そういうところへ来てしまっているのではないかという気がするのです。
それよりも、私は宮沢さんにも質問したのですが、今度の公的資金の注入における議論に関して、「支度金と持参金の定義を言ってくれ」と言ったことがあります。宮沢さんのお嬢さんが最近結婚しておられますので、(笑)それに絡めて私はそういう質問をしたのです。宮沢さんは、「支度金も持参金も、私のところはそういうことはあまりしないけれども」と言って一般的な定義をしました。それで「今度の公的資金の注入6,000億円を約束したのは、これは支度金なのか、持参金なのか」と質問したのです。宮沢さんの答弁は、どちらかと言えば支度金の色彩で答弁が返ってきたのです。私は、「支度金にしても持参金にしても、それはどちらであろうと結構です。ただ、娘を嫁入りさせるときに、支度金、持参金に人様のお金を使う親を私は見たことがない。今まで産業界の合併にしても、20年間、30年間に数々ありますけれども、産業界では支度金、持参金を国の税金で使った例は一度もないわけです。ですから、私はそういう点については反対です」と意見を述べました。それから、トゥー・ビッグ・トゥー・フェールという先ほどからの議論ですけれども、私は基本的にトゥー・レート・トゥー・セーブと言うのです。この長銀というのはもう使命を終えている。終えた銀行をいつまでも存続させたその政治のミスが、結局は大蔵大臣が国会答弁の中で、「堅気でないようなところにまで貸し付けた」と言うような結果を招いたわけです。大蔵大臣が「堅気でない」という言葉を使うのは、これは大変なことだと思うのです。(笑)これはもう議事録に残っ