司会者 きょうは第10回目になりますけれども、国際研究奨学財団の政策セミナー朝食会を始めさせていただきます。
本日はご案内のように、宮城大学の糸瀬茂先生においでいただいております。糸瀬先生は、今日の金融システムの問題の本質を最も早い時点から指摘してこられた学者の一人で、かつ非常に活発に政策提言をしておられるということについては、皆さんよくご存じではないかと思います。
今日のタイトルは「政府自民党の金融破綻処理策について」ということになっていますが、実はこのセミナーを企画した段階で、自民党の案に対して非常に強い批判があったものですから、それを批判的に検討していただこうということだったわけですけれども、ご承知のように、現実の政策は非常に流動的に動いておりますし、このタイトルにこだわらず金融システムの不安対策全般について、ぜひ幅広く議論を深めていただきたいと思います。
きょうはざっと見渡したところ、いつも以上にしゃべりたくて仕方がないというような人が集まっておられますので。(笑)それで時間ですが、一応9時15分か20分前ぐらいにまでちょっと糸瀬さんのほうからお話をいただいて、これだけのメンバーがそろっておりますので、ぜひ活発に議論をさせていただきたい。10時には必ず終了して、皆さんの予定に支障がないようにしたいと思っております。
それでは、糸瀬先生、ひとつよろしくお願いいたします。
2. 講師報告
糸瀬 おはようございます。お招きくださいまして、ありがとうございます。実はメンバーを今日初めて拝見して、正直言ってぎょっとしたという感じです。日ごろ心の中で尊敬している方がおおぜいいらしていて、釈迦に説法になる部分もずいぶんあるかと思います。
レジュメですが、今日のお集まりのメンバーがどういう方々かわからなかったので、一応3種類用意してきたのですけれども、1と3はもう省略しまして、その2のシステミックリスクの話をちょっとさせていただいて、今後長銀の処理が決まったというのは不良債権処理の出発点にすぎませんので、これからどうなりそうだとか、どうあるべきかとか、そういった話について愚見を申し述べたいと思います。その後の質疑応答で、ぜひいろいろなお話を逆に伺わせていただきたいと思っております。