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現実にいうと、直接ではないにしても、間接的には、やはり円を切り下げれば東南アジア通貨もまた下がる。こういうことになると、日本市場での中国と東南アジアの相対的な関係は、非常に不安定になります。たとえば、日本の市場で販売されている東南アジア諸国のものと中国のものをみると、タイとか、インドネシアの製品は、値段が安くなってきています。また、中国の人件費などを入れて計算しますと、中国はいま高くなっている。そうすると、やはりアメリカ市場や日本市場などの第三国市場では、まだ中国と東南アジア諸国との相対関係では負けています。そういう点でも、やはり円が安定しないと、間接的に中国にも跳ね返るということで、私の意見ですが、この点でもよろしかったらお答えいただきたいと思います。

司会者  すみません、時間がなくなってきましたので、Eさん、お先にどうぞ。

E  米国大使館のEといいます、

アメリカの好況と持続するアジアの不況という感じで考えた場合に、最近ジャーナリズムを賑わせている面白い論調があります。アメリカが、世界覇権のために、軍事力の次に金融で、ドル本位制下における国際金融のいろいろな手立てをしている。これはジャーナリズムの策略といいますか、あたかも謀略であるような言い方をする人もいますけれども、面白い観点だと思うのです。アメリカのアドミニストレーションと、ソロスさんとが相談をしあって何かをするということはあまりないのではないかという気がしますが(笑)、いずれにしろ、切り口としては非常に面白い。アメリカが世界の覇権を求めて、ドル本位制という、ひとつのはっきりした、変えられないような条件下で、新しい国際金融の国際的な要因を確立して、それでアメリカの持続する好況と、それ以外の国の不況ということが出てくるのではないか。これは、私はよくわからないので、原田さんのご意見を聞きたいのですが、こういった、アメリカの好況とアジアの不況というのは、国際金融面における構造的な要因が強いのでしょうか。

原田  お二人とも、難しい質問を最後になってされるのですが、最初のご質問ですが、インフレにするということは言っていなくて、マネーを増やせということです。マネーを増やすことは、現在の状況であれば、別にインフレにはならない。どうやって増やすのかということですが、それは債券を買うなり、外貨を買うなりすればいいわけです。1995年にも、そういうチャンスがあったわけです。円が80円までになったときです。そういうチャンスのときに、なぜしなかったのかはわかりません。私は、90年代初頭以降マネーを増やすべきだと言ってきたのに、だれにも相手にされなかった。というこ

 

 

 

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