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原田  やはり「他人の金資本主義」だと思うのです。他人の金で、最後は国が面倒みてくれると思っているから、このようになってしまったので、やはり自分の金であれば、あんなことはやらないと思うのです。

いちばんいい例が、洞爺湖のすごいホテルです。この前NHKでもやっていましたが、これを作ったのは札幌の不動産会社で、最初は、洞爺湖にこぎれいなホテルを70億で作るという話だったのです。札幌に1泊3万のホテルを作って、何人客がくるのか。家族できたら12万円かかるところに、いくらバブルのときだって、何百室ものホテルでは合わない。それくらいは絶対わかるわけで、バブル紳士ですら70億のホテルだといったわけです。その話を拓銀にもっていったら、「70億なんてけちなことを言ってないで、600億にしましょう」ということになってしまった。

これはまさに、他人の金だからこうなったのだと思います。自分の金であれば、そんなひどいことにならない。台湾や香港というのは、まさに自分の金資本主義なわけです。ディスクロージャーなんてなくたって、「いざとなったら、自分は自分のビルから身を投げて死んでやる」という覚悟でやっているわけです。そういう人と、「他人の金だから70億だって600億にしてもいいや」という人は違います。あれが70億のままだったらと思います。バブルの不動産屋は、自分が大金持ちになって、洞爺湖にきれいなホテルを建てて、自分の友達やエスタブリッシュメントを招待して、自慢したかったのだと思うのです。自慢するための70億なのです。自分の金で、自分の責任で自慢するための70億だから、何とかなると思っていたのです。ところが、銀行にもっていくと、これが600億になってしまう。いかに他人の金資本主義というのは間違っているかということです。

B  手短かにいくつか質問させていただきます。

最初の、IMFの問題なのですが、感想だけを申し上げますと、たとえば今日において、金融政策の自立性と、為替の安定と、自由な資本移動というのは矛盾する三角形だと思います。3つ同時には推移しませんね。その顕著な例が香港で、為替の安定と自由な資本移動をとったから、メチャクチャな高金利で、不本意ながら高金利をやっているから、金利政策の自立性を失うというような話になっています。そもそもIMFの体制というのはなかなかうまくいかないのです。先ほど原田さんがおっしゃったように、もともとは固定為替レートから出て、またAさんがおっしゃったように、資本移動という

 

 

 

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