また、固定為替レートを推奨していたとは一概に言えないので、むしろ資本の自由な移動を促した。それから、固定為替レートがインフレを呼ぶというのならともかく、きわめて激しいインフレに襲われたようなブラジルとかアルゼンチンには、むしろ固定相場をアンカーにして、それにリンクさせてインフレと反インフレの方針を持とうというようなことを言っていたと思うのですが、むしろタイとかインドネシアについては、去年やおととしぐらいから少し相互補てんにいき過ぎている。もう少し為替レートを自由にしないと、資本流入が激しい。資本流入が激しいときに、金融引き締めをやりますと、どんどんインフレになってしまうわけです。そのときに無理に引き締めをすると、金利が上がって、さらに入ってきます。本当は、財政赤字を締めればいいのです。そうすれば金融的にも緩みますから。しかし、財政赤字については、むしろ今まで黒字になっているのです。そういう意味では、なかなか難しかったのではないかと思います。
暫定的かどうかということについては、日本の人みんながそれを正しいと言っているわけではないと思うけれども、IMFに対する不安のひとつとしては、やはり資本の移動の自由を進めたりするためのタイミングなのです。その国の発展段階を無視して、一挙にやれとか、あるいは政治的な環境を無視して、ただちに間接税を5%入れろというような、タイミングやシーケンスを無視している面がちょっとあるのではないかという議論がある。特にインドネシアの場合には、預金保険もないようなところで、銀行を一挙につぶせといったのは、果たしてよかったのかということなわけです。
また、AMFにこついては十分な議論を出してやろうとしたのか。AMFというのは日本が提案したということでおっしゃっているのかどうかわかりませんが、AMFが出てきたのは、IMFに対する批判ということも少しはあるかもしれません。基本的にはIMFの中はアジアのリプレゼンテーションを作った方がいい。IMFの理事国は24あるのですが、歴史的な経過から、やはりヨーロッパの国が多いのです。アジアの中では、日本と中国はもちろん入っていますが、韓国やオーストラリアもいます。また、インドネシアやマレーシア辺りは理事会メンバーだし、フィリピンなども理事会メンバーです。そのように、非常にアンダーリプレゼンテーションであって、サーベイランスとしてはプレッシャーが働く。