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SOx対策については、ランニングコストを除くと、燃料転換が大きな効果がある。今後はIMOの特別海域のように、ある海域を限定して低硫黄燃料の使用を求められることも考えらるため、燃料切り替えの無人化や低硫黄燃料タンクの増量などの検討が必要となろう。

他の大気汚染物質については排出の実態も把握できていないところであるが、将来的に脱硝装置を使ったり、メタノール燃料を使用した場合のN2OおよびCH4の増加、またタイミングリタードなど、燃焼状態の改変によるPM排出量の増加などが懸念される。

 

4.2.2 船舶以外の輸送機関における対策技術など

(1)陸上輸送機関との排出量比較

ア.NOx排出量

平成10年規制に適合している最近のガソリン機関(51機関)およびディーゼル機関(51機関)について、以下の方法で機関単体からのNOx排出量を算出した。ガソリン機関については3元触媒後の排出量となる。ここでの計算は便宜的に規制値を用いているが、図4.2-3に示すように、実際の排出量は規制値よりも2割程度少ない自動車が多く出荷されている。

船舶におけるNOx排出量(IMO規制値高速機関で9.8g/kWh)と比較すると、3元触媒が導入されていることもあってガソリン車では1桁程度、ディーゼル機関では2割程度小さい値を示す機関が多い。

ガソリン車の場合

1]10・15モード時における距離当たりのNOx排出量Eleng(g/km)、および燃料消費量Fmode(g/km)を、各車の運輸省審査値から収集した。

2]機関の出力曲線などから、MCR時の回転数r(rpm)、軸出力P(kW)、およびその時の燃料消費量Fmcr(g/kWh)を求める。

3]10・15モード時におけるNOx排出量E(g/kWh)を、以下の数式で計算する。

E=Eleng/Fmode×Fmcr

 

 

 

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