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また、NOx以外の大気汚染物質について他の計算例との比較を、表3.4-61に示した。外岡の試算との比較によると、船舶については、燃料消費量であるCO2の排出割合で80%程度となっているが、日本周辺での燃料消費量がバンカー積み出し量より小さく設定されているためである。これに対してNOxの排出量では91%と80%より高くなっている。他の物質については、割合がばらついており、設定根拠などの違いによる排出係数の違いが出たものと考えられる。

世界全体での排出量比較を表3.4-62に示した。また、前回のSO財団による船舶寄与率と今回の船舶寄与率の比較を表3.4-63に示した。今回の試算でも前回の調査と同様に、CO2の排出寄与割合が2%であるのに対して、NOxやSOxはそれより高い寄与率を世界においても示しており、陸上の排出源と比較して燃料消費量あたりのNOxやSOxの排出量が高いつまり濃度が高いことが影響していることが考えられた。

 

表3.4-59 陸上からの排出量との比較

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陸上には。船舶以外の移動発生源、固定発生源、工業プロセスなどを含む

PMについては陸上排出量の計算値がない

 

表3.4-60 船舶からのNOx排出量の他の調査との比較

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注)各調査ともに日本周辺は沿岸から200海里以内の海域として定義している。NOx排出量は全てNO2 換算値。いずれも漁業レジャーを含まない。周辺海域には外航船を含む

*1;(社)日本海難防止協会(1993):船舶による日本沿岸域の大気汚染に関する調査研究報告書

*2;環境庁(1996):船舶温室効果ガス排出量等総合調査

 

 

 

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