NOx排出量はNO2換算値、SOx排出量はS2換算値。
国内における陸上からの発生量をIPCCベースとし、全排出量に占める船舶の寄与割合を計算した結果を表3.4-59に示した。日本国内における排出量寄与割合は、NOxがもっとも高く、国内で34%、日本周辺で37%程度と推定された。次に、寄与割合が大きいSOxについては国内で21%、日本周辺で23%程度と推定された。CO2など他の地球温暖化物質では、その寄与割合は3%程度と小さくなっていた。CO2ガスなどの低寄与割合の理由として、これらの物質に対する排出規制が地上発生源においてもNOx、SOxほど厳しくなっていないこと、CO、CH4など燃料の未燃焼物質として排出される物質については舶用機関においては燃焼状態がよくトランジェント時の燃焼が比較的少ないことから排出係数が低く推定されていること、などが考えられ、全体として燃料消費量と比例するCO2並みの寄与率となったと思われる。
もっとも寄与率の高いNOx排出量について、他の調査との比較を表3.4-60に示した。
本調査のNOx排出量は従来の知見の範囲内の数値になっており、本調査の数値の妥当性は充分にあると考える。