5] 運輸省
「産業活動の場」の「工場の場」に関して、港湾荷役システム等のプロジェクトが実施されている。
(3) 分野別にみたプロジェクトの動向
各分野別に「産業の場としての海洋」に関連した研究開発プロジェクトの動向をまとめた。
1] 産業活動の場
「工場の場」については、海洋作業機械や港湾荷役システムについてのプロジェクトが、通商産業省と運輸省のもとでそれぞれ1件づつ実施されているだけである。「水産業の場」としては、北海道開発庁や水産庁を中心として、漁業施設、漁港、漁業被害調査、漁場、漁船に関するプロジェクトが複数実施されている。「商業の場」と「貯蔵の場については、該当するプロジェクトが見当たらない。「産業活動の場」に所属するプロジェクトが極めて少ない理由としては、この分野が地方公共団体や民間企業の主体となるものであり、直接的には国家プロジェクトの形をとりにくい点が考えられる。
2] 廃棄物処理
「廃棄物処理」については、環境庁により廃棄物埋立処分に起因する有害物質曝露量の評価手法に関するプロジェクトが1件実施されているだけである。ただし、前述したように、このプロジェクトも破棄物処理の場として積極的に海洋を利用しようとするものではなく、その意味では「廃棄物処理」については全くプロジェクトが実施されていないと言える。「ごみ埋め立て処分」についてもプロジェクトは見当たらない。ごみを含めた廃棄物処理に関しては、環境問題との兼ね合いからも、実行が困難なテーマの一つであると考えられる。