これらの中には、構造物材料や地盤強度等のプロジェクトの他に、波浪や氷力等の外場影響、さらには環境影響評価までが含まれる。また、メガフロート等の浮体式構造物の研究も行われている。一方で、「リクレーションの場」についてのプロジェクトは見当たらない。
(3) 分野別にみたプロジェクトの動向
各分野別に「生活の場としての海洋」に関連した研究開発プロジェクトの動向をまとめた。
1] 居住の場
「海中居住」については、海洋科学技術センターにより、高圧環境の人体に対する影響等についてプロジェクトが実施されている。「海上都市」、「港湾都市」、「漁村」、「離島」については具体的なプロジェクトが見当たらない。「構造物」については極めて多数のプロジェクトが運輸省により実施されている。これらは、沿岸構造物や埋立地の設計、材料、地盤、防災、波・氷応答性から、超大型浮体式海洋構造物、大水深海洋構造物に至るまで幅広い内容を含んでいる。運輸省の他には北海道、環境庁、農林水産省、通商産業省が関与しているが、いずれもプロジェクトの数は少ない。
2] リクレーションの場
「マリーナ」、「海中公園」、「海釣公園」いずれについても地方自治体が実施しているものの、国家プロジェクトとしては該当するプロジェクトは存在しない。