(2) USCのプロセスモデルによる協業支援環境の研究の調査
USCのJin教授が研究開発中の、プロセスモデルとエージェント技術を適用した協業支援のシステム的枠組みであるActive Processについて技術調査を行った。高度造船CIMで考えている殻艤協調設計の業務シナリオに基づいてプロセスモデルのあるべき姿を討論するとともに、USCで開発したプロトタイプシステムを通して、協業支援システムの動作メカニズムを検討した。その結果、プロセスモデルとそれに基づく協業支援システムの基本的枠組みを固めるのに極めて有効な成果を得ることができた。技術的詳細については本文の3.に述べた。
(3) PDMに関する調査
(a) アエロスパシアル社におけるPDMの利用
(ア) PDMを適用している領域
現在、アエロスパシアル社では以下のような5つのCADモデル(ディジタルモックアップ)が存在し、上流モデルから下流モデルへとデータが渡されており、CADファイルの更新履歴等はそれぞれ単独のPDM(Local PDMs)で管理している。
・MasterGeometry(基本設計時のサーフェスモデル:フレームデータ等)
・Design Principles(概略配置段階のデータ)
・Space Allocation Mockup(干渉チェックモデル)
・FrontierModel(パートナー間のブロック整合性チェックモデル)
・Geometric Reference Mockup(アセンブリまで定義された詳細モデル)
(イ) 今後の計画
将来的には、図S2.2-2に示すようにPTC社製のWindchillにより、それぞれのフェーズで用いているPDMを統合化し、シームレスにデータをやり取りできるようにする予定である。