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付録

 

「2. オブジェクトリクエストブローカーによる知識共有の仕組みの実現」に対する補足

 

編集上の都合などから本文に入れなかったものを補足の形でまとめた。

章や節の付番は該当する本文のそれに合わせるか、該当するものがないときはその追い番の形とし、区別のため頭にSを付けた。

 

S2.2 知識共有化の仕組みと関連要素技術のレビュー

S2.2.3 知識共有実現のための技術調査

知識共有実現に関連する情報技術の進展の速さはすさまじいものがあるので、本年度も継続調査を行った。ここでは、本開発研究に関連する情報技術の最近の主な動きを述べる。

(1) 技術の動向

造船業を含む一般製造業における知識共有実現のための基盤構築に関連する要素技術に関連する最近のキーワードとして下記のものが挙げられる。

(a) Web化

Web化が製造業においても他業種と同様急速に進展したのは、運用コストの低減と企業間協業メカニズムの構築が容易なことが大きな要因であると言える。このようなユーザーニーズに合わせて、ベンダーの各種製品(CADやPDMなど)もWeb化が進展し、有力製品はほぼその対応を終えている。今後もこの傾向は衰えることなく拡大してゆき、本格的な分散環境におけるシステム運用への適用が進むと推測される。

(b) ディジタルエンジニアリング

CAD・CAM・CAE・CG・PDM・ERPなどの市販製品群が、3次元モデリングカーネルを中心として有機的に連携する状況が実現しつつある。設計及び仮想製造・組立で3次元モデルを用いて動作(motion)表示も含む事前シュミレーションが可能になり、設計から製造までの効率化と信頼性が向上する。更に、営業やメンテナンス部門もWebブラウザを介して最新の3次元技術情報にアクセスして利用することが可能となる。

(c) XML (eXtensible Markup Language)によるメタデータ活用

データ・メタデータともにテキストデータとして表現可能という点が、XMLが広く受け入れられている大きな要因であり、応用範囲も非常に広い。全社的な統一メタデータの構築と標準化されたメタデータを格納したレポジトリの運用が今後の課題となろう。

(2) 分散環境

今後の製造業におけるサプライチェーンの実現や、Virtual Enterpriseの実現など企業間または事務所間の連携に必須となる分散環境としてCORBAとDCOMに関しては本文で述べてあり、ここではJavaとHTTP1.1+XMLについて述べる。

(a) Java

Javaは仮想マシーン・バイトコード・アプレットによる処理プロセスの即時ダウンロード等現在のインターネット環境で用いるうえでのメリットを多く持っており、処理プロセス記述言語としては今後ともCやC++と同様広汎に使用されると思われる。

(b) HTTP1.1+XML

従来のインターネット上の標準的仕様はHTTP1.0+HTMLであった。これはViewingを主体とする処理には十分な機能を提供していたが、更新系の処理やメタデータベースを使っての知識処理が要求される、現在のインターネット上の稼働環境では機能的に不十分であり、これらの欠陥を解消するためHTTP1.1+XMLが用いられると予想される。

 

 

 

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