作業指示情報は現状の大きな図面から作業指示書に変わる。ある工程のある作業者に必要な情報だけがその作業者用の指示書として提供される。必要な時だけ検索ボタンで他部署の情報や設計情報の確認ができる。
更に、一部の情報は作業指示書から対象製品に直接記述されるようになり、指示書をポケットに持ち歩かなくて済む。溶接脚長等の詳細な作業情報は鋼板の溶接線の近くに印字されて、指示ミスが格段に減少する。印字技術が大きく進歩し、高速印字で好きな場所に好きな大きさで印字できる。
(b) K2-物流計画による無駄の削減
ジャストインタイムで購買品や製作外注品が納入される仕組みになっている。
時間単位で工場内の中間製品の移動計画が番地情報も含めて計画され、その裏付けとなる台車運行表やクレーン運行表も計画できる。
(c) K3-非熟練労働者による作業の可能化
例えば、初心者が初めて施工するブロックでは、控え室で画面やスクリーンを使って組立手順の事前勉強ができる。
作業者の技量レベルに合わせて指示書の内容を変更できる。熟練作業者のための作業指示は着手順序等全体の流れが中心となり、非熟練作業者用の作業指示は個々に対象とする中間製品の施工法を中心に記述される。
(8) L-生産
(a) L1-適切な情報提供によるFA化の範囲拡大
塗装作業のFA化の範囲が格段に広がる。区画ごとの塗装仕様が詳細にPM内に表現され、塗装FA情報が柔軟に生成できる。
加工工程からサブ工程への部品の移動には自動搬送台車が導入される。時間管理と物の管理が向上するので、部品揃えは完全になり、物探しという非主体作業は無くなる。
艤装品、製作外注品は自動倉庫で管理され、中日程の納入計画と接続していて、何日後にこんな艤装品が納入されるからこの番地は予約済みになって使えないというような知的機能が付加される。
ブロック形状の3次元計測装置が導入される。PMの公差モデルから任意の中間製品の溶接収縮量、取付寸法が容易に算出され、計測器にデータ転送される。
(b) L2-高度なモニター機能による実績把握の容易化
組立工程以降の人間系の作業形態では、超小型携帯リーダーから工程実績や工数実績が入力される。
工場内の数個所には大きな電光掲示板が設置され、誰でも工程進捗や物の現在地を確認できる。また、工場内の端未からも幾何形状等の設計情報を検索・確認でき、設備の稼動・故障状況も同様である。工程進捗・品質管理・工数消化等の状況が工場長室においても現場掲示板によっても確認でき、製作外注工程の進捗状況も検索・確認できる。