(b) F2-ユーザーカスタマイズの容易化
新しい構造やスロット形状カタログの追加はもちろん、作業指示書などの帳票類の新規追加・編集や使い易い画面への変更など、ユーザーが自由にカスタマイズ可能となる。また、既存ソフトウェアコンポーネントを組み合わせて、ユーザーの手で新しいアプリケーションが開発可能になり、システム保守要員は激減する。
(c) F3-外注設計委託作業の円滑化
PM情報をネットワークを介して構築・参照できるので、遠隔地の設計外注先への委託作業が円滑に行える。また、作業の進捗状況もリアルタイムで把握でき、納期確保が容易になる。
(4) G-初期工法検討
(a) G1-ブロック分割及び搭載シミュレーションの可能化
初期の段階でブロック分割と同時に搭載順序を検討し、ブロック分割の後そのブロックが搭載可能かどうかを確認するため、高度なCG機能を使って画面上でブロックを動かして容易に干渉確認できる。
初期段階から製品は3次元モデル化されており、生産技術者はブロック分割した結果の各ブロックの幾何形状を容易に画面上で確認できる。その結果、施工がし易いか、品質が確保し易いかなどの定性的評価を高度に支援できる。
足場計画ではウォークスルー機能を使ってバーチャルな足場仮設・解体の検証ができ、クレーンによるブロックの吊り上げでは、既定の吊りピース位置を基にした検証はもちろん、吊りピース位置提案ができる。
(b) G2-設計・工作から独立した工法検討チームの設置
ブロック分割に代表される初期の工法検討は、設計や工作に大きく影響する。担当者(部隊)はスーパージェネラリストとして全体を総括・評価し確定する必要がある。彼らは知的集団として、設計部・工作部とは独立した部署に所属する。
(5) H-詳細工法検討
(a) H1-中間製品の生成の自動化と単純化
組立・作業の手順がおおむね標準化され、システムは高度な操作性、便利機能を持つようになる。施工方針の決まった後の中間製品生成は、単純業務として容易に効率的に遂行でき、もはやエキスパートの業務でなくなる。
工作部門における作業改善活動は従来通り存在するが、その改善要望や見直しの結果としての施工標準は適時改正される。施工標準を表現した知識ベースは、システム担当者に依頼しないでも生産技術者の手で容易にカスタマイズできる。