5.3.5 知識の具体化
本アプリケーションでは知識ベースシステム(KBMS)の表現法に基づいて、対象船の概念や構造などモデル表現に関する知識を表現するフレーム知識と、問題解決を行うための規則を表現するルール知識という2つの形式を用いて知識の表現を行った。
(1) フレーム知識の表現
工程設計を行うために必要な情報をPMから受け取ってアプリケーション内に表現するために、4つのクラスフレームを定義した。各クラスはそれぞれFLの同クラスと対応する。
・部品
・関係情報
・中間製品
・論理作業
フレームの定義は以下の記述のようにクラスと属性(スロット)を定義し、各クラスフレームに対してインスタンスフレームを生成する。自動生成ルールはこれらのインスタンスフレームを対象に実行される。
クラスフレーム及びインスタンスフレームの定義の一例として中間製品を以下に記述する。
(ア) 中間製品のクラスフレーム定義
(defFrame 中間製品)
(タイプ nil(: vtype symbol)(: stype: iv))
(構成部品 ()(: vtype msymbol)(: stype: iv))
(重量 0.0(: vtype float)(: stype: iv))
(中間製品 ID 0(: vtype long)(: stype: iv))
(上位中間製品 0(: vtype long)(: stype: iv))
(階層 0(: vtype long)(: stype: iv)))
(イ) 中間製品のインスタンスフレーム例
(defFrame 管一品1: class 中間製品)
(タイプ 管一品)(構成部品(Pipe01 Pipe02 flange1 flange2))(重量5.5)
(中間製品 ID 0012)(上位中間製品0010)(階層4))
(2) ルール知識の表現
本システムでは、殻艤一体の工程設計を行うことが要求されている。船殻・艤装の両方について工程設計を自動化させる知識を表現するためにルールセットを用意した。船殻・艤装の固有のルールセットをそれぞれ船殻ルールセット、艤装ルールセットとして実装した。
(a) 船殻ルールセット
船殻自動設計の考え方を図5.3-4に示す。このようにロジック的に分類すると、使う設備、施工場所を規定してから設計していく資源主導型工程設計と、製品自身の特性に着目していく製品主導型工程設計がある。以下にこれらについて述べる。