日本財団 図書館


ここで生成されたツリーの情報から、溶接長などの管理物量をステージ・姿勢別に算出して生産管理に用いたり、作業者への分かり易い指示書を出したりするのに用いる。

それぞれのフェーズについてまとめたものを表5.3-1に示す。

 

表5.3-1 工程設計の運用

139-1.gif

 

5.3.2 要件整理

工程設計システムに求められるニーズは4.5で整理した。ここでは、アプリケーションで実現する機能要件について述べる。

(1) 殻艤一体の組立手順の表現

船殻・艤装の両分野の施工法は艤装品の配置が船殻の工作法に影響を及ぼす場合や、船殻の工作法の変化により艤装品の取付ステージが変化するなど互いに密接に影響しているため、同時に検討・調整を行い、最適な工作法を見出していくことが好ましい。そのため、殻艤を同時に検討するするために殻艤の組立ツリーを一体化する必要があり、PMとしてモデルを共通化し、アプリケーション側としても、殻艤一体で検討することができるような仕様とした。具体的には、船殻の組立ツリーに対応して艤装のツリーを挿入するような形で組立手順を生成し、検討結果を船殻ツリーへ反映できるようにした。同時に、従来の殻艤の組立法をそれぞれ個別に検討する手法へも対応させるため、殻艤それぞれの組立ツリーを分離して扱えることも可能とした。

(2) 自動工程設計機能

工程設計作業を行うには幅広い知識と数多くの経験を必要とするため一部のベテラン作業者に頼らざるを得ないのが現状であるが、経験の少ない作業者でも精度の高い工程の作成を可能とするためには、これらの業務知識をルールとして知識ベース化した自動設計機能による支援が必要となる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION