4.5.2 工程設計
(1) あるべき業務形態と機能要件
初期生産設計と同様に、あるべき業務形態から要求されるシステム機能は次の通りである。
(a) 殻艤の工程設計
殻艤一体の最適性を追求した工程設計を実現し、組立施工の対象物も可能な部品として全て扱うことは、新しい生産部門の業務変革の方向性と一致すると考えられる。その際のシステム要件は、工程設計アプリケーション内では全部品が同じ書式で表現して扱うことができ、それぞれの分類分けができることである。
(b) 工程設計の効率化
設計効率を高めるため、一つのブロックに対して数百に及ぶ部品数を一括して処理する自動設計と、詳細な判断を必要とする際に設計者が選択を入力する対話設計とが容易に使い分けできることが必要で、その結果設計全体の効率は大幅に向上する。この結果として定性的な知的判断や設計に時間を費やすことができ、工程設計の品質の向上が大いに期待される。
(c) 作業指示情報
作業指示書に表現したい情報では、例えば、溶接作業については溶接機の種類、溶接方法、手順から、足場ピースをどこに付ける、一時的な構造物の補強をどうするかなど、その範囲は広い。図4.5-3は溶接作業に関する詳細情報を示している。このような詳細な作業情報が生成・表現できれば、何をどこで、どの順に、どのようにするかを記述した作業指示書が生成できる。