(b) 拡張の概要
次のクラスを設けた。
・設計概念として、ダクト系統仕様・ダクト系統クラス
・部品として、ダクト本体・ダクト部品・ダクト付着品クラス
・カタログとして、ダクト断面・ダクト本体・ダクト部品・ダクト付着品・ダクト用継手カタログクラス
ダクト部品クラスは、定義としてはその前後でダクト本体が不連続になるような通風艤装品を表現するものであるが、具体的には吹出口やベントポストなどの系統端部部品を想定している。ダクト付着品クラスはその前後でダクト本体は連続のままであるような通風艤装品(例えば、整流板やドレンプラグなど)を表現するものである。
ダクト本体・ダクト部品・ダクト付着品クラスはそれぞれダクト系統クラス及びカタログクラスと関連を持っている。
ダクト断面カタログクラスは断面形状を保持し、ダクト本体カタログクラスはダクト入口断面と出口断面の間の本体形状パターン(例えば、同心とか下面揃えなど)を保持するものである。このように両者を分けることによって、通風ダクト配置の過程での断面形状変更に柔軟に対応できるようにした。ダクト本体クラスの形状生成メソッドは、自インスタンスの定義点情報と、関連先のダクト本体カタログインスタンスが保持している形状パターン及びダクト断面カタログに基づきパラメトリックに形状を生成して、その形状を自インスタンスの形状属性にセットする構造となっている。
ダクト部品及びダクト付着品カタログクラスは、カタログ形状を固定値として属性に保持する。
各種のダクト用継手カタログクラスは、通風ダクトの部品クラスからではなく、4.4.4(1)の「艤装直接関係」の部品付き接続関係クラスから参照されるものである。
(5) 交通艤装
(a) 考え方
他分野の系統及び配置空間に相当する概念を交通艤装にも設けることとした。系統に相当する概念を交通定義、配置空間に相当する概念を交通空間と呼んでいる。ただし、これらを定義しない状態で部品だけを配置することも可能である。
これらを定義する場合は、次のような使い方をする。
・梯子や歩路のように「経路」を設置目的とする交通艤装:
「経路」を交通定義として定義する。この場合の「経路」が経由するのは、座標ではなく何らかの区域を示すオブジェクトである。すなわち、位置を問題にするのではなく、「つながっていること」を定義するのが第一の目的である。もちろん、座標も表現可能だがそれが主目的ではなく、交通定義が他分野の系統に相当するという意味はここにある。交通定義は「設置目的」を属性として持つ。