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電線・電線部品・電線付着品クラスはそれぞれ電線系統クラスと関連を持ち、電路金物クラスは配線空間クラスと関連を持っている。また、これら4つの部品クラスはカタログクラスと関連を持っている。

電線カタログクラスは配線空間の寸法を求められるように直径を数値属性として持っているが、電線クラス・電線カタログクラスはともに形状属性は持っていない。従って、太さを持った電線形状はPM内では表現されないが、その必要は無いと考えたものである。

電線部品カタログクラスは、カタログ形状を固定値として属性に保持する。

電線付着品・電路金物カタログクラスは、各カタログの形状そのものではなく、形状パターンを保持するものである。各部品クラスの形状生成メソッドは、自インスタンスの定義点情報と、関連先のカタログインスタンスが保持している形状パターンに基づきパラメトリックに形状を生成して、その形状を自インスタンスの形状属性にセットする構造となっている。本開発研究では、サンプルとしてある造船所の形状パターンに対応する具象カタログクラス群を用意した。

(4) 通風ダクト

(a) 考え方

基本的には管艤装の考え方を踏襲することとした。すなわち、設計概念として系統仕様・系統を持ち、この系統仕様や系統の概念を継承して部品を表現する構造とした。

管艤装との考え方の違いとして次の点が挙げられる。

・通風ダクトは複数が同一空間を並走することはほとんど無く、通風ダクトと配置空間がだいたい1対1に対応し形状も両者ほぼ等しいため、配置空間は設けていない

・管艤装はいくら「全体配置が決まってから単品の形状が決まる」とは言っても、管断面形状(口径など)は系統で定義され、その管断面形状は固定のものとして管配置を行うものである。それに対し、通風ダクトは系統で確定されるのは相当断面積のみであり、その相当断面積を満足する範囲内であれば、通風ダクト配置の際に全体配置の影響によって通風ダクト断面形状は変わり得る。従って、通風ダクトは管のような「既定の断面形状×長さ」という扱いになりにくいため、管艤装に比べカタログの構成が複雑になっている

通風ダクトは管艤装と同じく、取付単位より下位の単位の要素ごとに定義操作を行った後、それらを集約して取付単位の部品を定義するという性質の分野である。従って、通風ダクトの部品については製品定義で操作する単位の要素(例えばダクト胴体・吹出口・ダンパー・整流板・ドレンプラグなど)を、それぞれオブジェクトとして表現することとした。

 

 

 

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