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以上の点を考慮して、今回は船殻構造FLにおける主要な船殻構造及び詳細構造について、表現力を向上させるために大幅な拡張を行った。基本的には一般的な商船で用いられる船殻構造の大半を表現対象としたが、あまりー般的でなく希な構造については対象外とした。

(2) 拡張の概要

主要な船殻構造及び詳細構造について拡張を行った項目について以下に述べる。

(a) ラウンドガンネル

EFL/Sではスクウェアガンネルしか定義できないが、ラウンドガンネルも表現できるようにし、ラウンドガンネルの消し込み部を表現できるように拡張した。

(b) ピラー

EFL/Sでは板材を組み合わせたりすることでピラー自体を表現することはできるが、一つのまとまりとしてピラーであることを認識できるようにはなっていない。そこで、下記のような特徴を持つピラー部材を新たに追加して、ピラーを明示的に表現できるように拡張した。

・配置線を自由空間の中に持つ

・ねじれがない

・配置線は直線である

・断面形状が一定でありパターンで表現できる

(c) 他部材のフリーエッジでトリムされる板材

板材同士の接続関係についてEFL/Sでは他の板材の定義面でトリムされる板材は表現できるが、他の板材のフリーエッジでトリムされる板材は定義できなかった。そのためにガンネル部がスクウェアタイプのものは表現できるが、ラウンドタイプのものは表現ができない。今回はラウンドガンネルに現れるような他部材のフリーエッジでトリムされる板材も表現できるように拡張した。

(d) 複数の部材に取り付いている条材

EFL/Sでは一つの条材は一つの部材にだけ取り付くとしていた。船舶を構成する条材のほとんどはこの定義で表現可能であるが、表現能力を高めるため、複数の部材にまたがって取り付いている条材を表現できるように拡張した。

(e) 条材の詳細構造

条材における断面や端部の形状、ナックル位置、テーパー形状及びねじれを表現できるようにした。

・断面や端部の形状は詳細構造パターンタイプを指定することによって決定される

・テーパー形状は継手が持つテーパーパターンと継手を挟む両側の断面形状から生成される

・ねじれは取付線上のいくつかの点について保持している取付角から生成される

 

 

 

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