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一方、Windowsの世界では、分散オブジェクト技術DCOMに準拠したソフトウェアコンポーネント群が多数整備されつつある。例えば、Microsoft Transaction Serverは、DCOM対応のコンポーネント群で構成されており、ユーザーがこれらのコンポーネント群から必要なものを選択し組み合わせることにより、ニーズに合ったシステムを効率的に構築可能となっている。

昨年度の報告書に示したように、CORBAとDCOM間の情報交換は市販CORBA製品が提供しているCORBA/COMブリッジで容易に実装できることは検証済みであり、DCOM対応として整備されたソフトウェア部品を分散オブジェクトとして利用できる。現時点では将来的にもDCOM対応ライブラリの方がCORBA対応ソフトウェアよりも数的には多数を占めると考えられるが、ACIM環境から利用することは可能であり、今後整備されていく市販ソフトウェアコンポーネントとして捉えてよい。いずれにせよ、CORBA対応アプリケーションやDCOM対応ソフトウェア部品は、今後着実に整備されていくと予想され、これらの市販ソフトウェア部品を有効活用することにより必要なアプリケーションを効率的に開発できる環境になっていくことは明らかであろう。

以上のように、本年度はACIMリファレンスアーキテクチャの各カテゴリーに含まれるサービス及びファシリティ群の具体化を各カテゴリーごとに定めた実現方針に従って実施した。このうち、GFのIDL化は完了し、PMへのアクセス及びPMが持つメソッド類は、CORBA環境での利用が可能となった。その他のカテゴリーのサービス群は、5.で述べる検証用アプリケーションとプロセスモデルを用いた協業支援テストアプリケーションの開発と並行して実装作業を進めた。

 

 

 

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