(b) PM情報をアプリケーションのビューに変換して利用するもの
アプリケーション開発時には、そのクラス属性全てを対象とする必要が無く、かつ、アプリケーション固有のビューでクラスを解釈し直し、これを対象に処理を記述した方が開発効率が向上する場合がある。また、アプリケーションの処理速度の向上を目指してPMへのアクセス回数を削減するためローカルモデルを持って、このモデルに対して処理を行い、結果をPMに返したい場合もある。これらの要求を実現するためのDFFサービスが存在する。
具体的には、検証用アプリケーションである初期生産設計アプリケーションの開発においてこの種のサービスが抽出された。その詳細は5.2で述べる。
2.3.7 新規開発アプリケーション(Applications: AP)
ここでアプリケーションとは、ACIMリファレンスアーキテクチャに従って開発された造船の各種業務を支援するアプリケーション群であり、分散オブジェクト環境に対応したものである。アプリケーションは、ACIMリファレンスアーキテクチャの他のカテゴリーに属する種々の機能コンポーネントが提供するサービスを組み合わせることによって効率的に開発される。本開発研究では、PMの機能検証用の工作関係アプリケーション2種を開発することとしており、本年度は詳細仕様の確定と実装作業を行った。詳細は5.で述べるが、ここではリファレンスアーキテクチャに関連した特徴を簡単に紹介する。
(1) 初期生産設計アプリケーション
ACIMリファレンスアーキテクチャに基づき、Javaを用いたWEBベースシステムとして開発中であり、基本的に稼働プラットフォームに依存しない。COS、GF及びDFFのサービスを利用する。GFの機能としては、PMオープン・クローズ、幾何形状のVRML形式出力サービスなど、DFFの機能として本アプリケーション向けに整備した継手インスタンス生成や管理物量算出機能等を利用する。
(2) 工程設計アプリケーション
PC上で稼動し、市販の知識ベースシステム、GUI部分に市販PC CAD、開発言語としてVC++を利用している。GFのサービス機能をCORBA/COMブリッジを介して利用し、開始時にPMから必要なデータを全てPC側に取り込む。実行時にはPMとのやり取りはなく、実行結果をGFサービスを利用してPMへ返す。