日本財団 図書館


(b) CORBAのアーキテクチャ

CORBAに基づいたアーキテクチャOMA (Object Management Architecture)を図2.2-1に示す。4つの基本要素から構成されており、ORBはこれらの構成要素をつなぐための通信メカニズムとして位置付けられている。2.3で述べるACIMリファレンスアーキテクチャはこの0MAに準拠することにより策定している。

(ア) オブジェクトサービス

分散オブジェクト同士が連携して機能するために必要な情報管理の基本的メカニズム。

(イ) 共通機能 (Common Facility)

アプリケーションが共通で利用できる汎用機能。

(ウ) Vertical Domain

金融・通信・電子取引など業種固有のサービス機能で、造船業では固有に整備する必要がある。

(エ) アプリケーション

エンドユーザーが直接利用するアプリケーション群である。CORBA規格では、プログラム間(オブジェクト間)のインタフェースはIDL(Interface Definition Language)と称する特定のコンピューター言語に依存しない共通の表記法を用いている。従って、クライアントアプリケーションとサーバーアプリケーションの実装言語は異なっても良い。

 

027-1.gif

図2.2-1 0MA (Object Management Architecture)

 

(2) CORBAの最新動向

CORBAではこの1年で着実に適用事例が増加している。しかし、その適用分野はインターネット上の分散環境の基盤としてよりも、どちらかというと社内や部門内の比較的狭い範囲での既存システムと市販汎用アプリケーションとの密結合システム構築への適用が主体となっている。その理由として、異なるCORBA製品同士の完全な相互運用性が現時点では十分確保されていないことが挙げられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION