1] CORBA (Common Object Request Broker: Architecture and Specification):
OMG (Object Management Group:約600社が参加している世界最大のソフトウェア業界団体)により策定された分散オブジェクト技術に関する標準
2] DCOM (Distributed Common Object Model):
Windows環境の分散オブジェクト技術としてマイクロソフト社が独自に開発した分散オブジェクト技術
昨年度の報告書で示した通り、稼動プラットフォームに依存しない開放的な分散環境を実現するという観点から、プラットフォームを限定していないCORBA標準に準拠することとしている。
なお、Windows環境との情報交換は既にCORBAの正式規約として制定されている。また、市販ORB製品を利用して容易に構築可能であることを昨年度に検証済みであり、DCOM環境で提供されるソフトウェアコンポーネントのサービス(分散オブジェクト)はCORBA環境でも簡単に利用可能である。すなわち、CORBAに基本的に準拠するものの、UNIX・Windows・ホスト環境を問わず、ネットワーク上のあらゆる分散オブジェクトを利用できる環境の上に高度造船CIMが構築される。
2.2.2 CORBA/DCOMの概要と最新動向
昨年度の報告書において、CORBA及びDCOMの技術的背景や特徴等を詳述した。ここではその概要を簡単に再記述し、最新の動向についても述べる。なお、最新動向の詳細を付録として添付した。
(1) CORBAの概要
CORBAは分散オブジェクト技術に関する標準にとどまらず、概念として分散環境におけるシステムアーキテクチャを示している点が重要である。
(a) CORBAの概念
CORBAの基本概念は次の3つに集約される。
1] オブジェクト指向モデル
2] 開放的な分散コンピューティング
3] ソフトウェアコンポーネントの集成と再利用
これにより、ソフトウェア資産の有効活用、規格化されたソフトウェアコンポーネントの流通の促進、アプリケーションソフトウェアの品質向上及び柔軟で拡張性の高いシステムアーキテクチャの提供が実現される。