2.3.4 WP-3 Potential Cargo Flow Analysis and Economic Evaluation for the Simulation Study
【目的】
運航シミュレーションに必要となる積み荷の種類とコストテーブルを調査することを目的とする。
(1) 物流解析では、近年のロシア北極海沿岸地域から極東地域やアジア太平洋地域への代表的な品目の輸出量を調査する。また、ロシア北西地域からNSRを利用して欧米に輸出されるoil/gasの海上輸送量を予測する。
(2) シミュレーションによるNSRの経済性評価に必要となる、NSRタリフやSuezタリフの構成、燃料価格などのコストパラメタの調査と、NSRとSuezのフレートレートの概算比較を行う。
【成果概要】
物流解析とコストパラメタの調査を行った。主な結果を以下に示す。
(1) ロシアからアジア太平洋地域へのferrous metalの輸出量は、2110年までの期間に、年間500万トンまで増加することが予想され、その内170万〜190万トンはNSRの利用による。
(2) ロシア北西地域から欧米へのoil/gasの輸送計画によると、年間2500万トンに及ぶcrude oil、2000万トンに及ぶ液化天然ガス、500万トンに及ぶガスコンデンセーションの輸送が予想され、海上輸送は年間480万トンから始まり、その量は個々のプロジェクトの実現と共に増加すると予測される。
(3) 化学/天然肥料の海上輸送の解析によれば、毎年夏季に75万トンがNSRに移行する可能性がある。
(4) NSR利用による2005年までの木材輸送量は130万〜170万トンが見込まれ現状の輸送能力で足りるが、2005年以降の輸出量の伸びは新たなArctic classの木材運搬船など砕氷船の導入に依存する。
(5) ロシア沿岸航行のタリフをノルウェーやフィンランドのタリフと比較してその構成を示した。