アウトリガー張り出し補助装置『プレアウトリガー誘導ビーム』の考案について
呉市消防局 川畑 一義
改良内容
はしご車のアウトリガー張り出し口付近に、アウトリガー張り出し位置のガイド役として、プレアウトリガー誘導ビームを取りつけました。
光源については、レーザー光線を使用し、昼間夜間にかかわらずジャッキ接地面を照らし出し、部署位置決定時における地盤面障害物の有無を瞬時に判別できるようにしました。
また電源は、車両のバッテリーを使用し、操作スイッチを運転席操作盤に取り付けました。
改良前の問題点
現在、はしご車部署位置決定は、機関員及び誘導員が四方向のアウトリガーの長さを推測し、接地面を確認しているのが現状です。
しかしこの方法では、架梯障害の少ない抽象物においては対応できますが、仮に道路幅員が狭く電線障害がある、アウトリガー張り出し位置に植込やマンホールがある等多数の架梯障害が発生した場合、機関員や誘導員の勘に頼っていたのでは、部署位置を決定するだけでも多大な時間と労力を必要としてしまいます。
さらに部署位置を決定し、アウトリガーも張り出した段階でジャッキアップできない障害が判明すれば、それまでの操作はまた最初からやり直しということになり、より一層加梯が遅れることになります。
改良後の効果
プレアウトリガー誘導ビームを取り付けることにより、現在機関員及び誘導員の目視に頼っていた、アウトリガー張り出し位置をビームが実際に照射するため、張り出し位置の障害物及びジャッキアップ接地面の障害物が容易に判明します。
すなわちアウトリガーを実際に張り出すことなく、張り出し位置が容易に判断できるため、PTOをいれることなく普通走行の状態で部署位置を決定することができるのです。
また敷板を配置する際にも、ジャッキ接地面の中心部分が容易に判明するため、何度も微調整を行う必要もありません。