日本財団 図書館


場時にこれさえあれば、どこの地下式消火栓でも開閉することが可能である、どこの地域でも使用することが可能である、を目的に考案し試作したのが「マルキー」です。

 

二 地下式消火栓スピンドルの概要

平成九年の調べでは、地下式消火栓は全国で約一三五万か所に設置されており形状としましては三角形、四角形、五角形、星型等の形があり約八〇%以上が四角形を占めているといわれています。

スピンドルの大きさについては、一辺が最小一四mm前後から五〇mm前後のものが導入されています。

 

三 構造

構造としまして、この「マルキー」は、四角形はもとよりその他の形状に対応させるためバルブキーを一二角形にし、様々な大きさに対応させるために上部一〇mmから下部に向けて七〇mmまでの一二角錐にしてみました。

材質も、アルミを使用していますのでかなりの軽量化となっていますし、強度にしましても、鋳型を使用し硬質アルマイト(硬質に加工する液体)で表面加工処理することにより鉄と同等の強度があります。

 

四 使用方法

「マルキー」は、通常の地下式消火栓用バルブキーと同様「マルキー」をスピンドルにはめ込み回すことにより開閉します。

 

五 利点

「マルキー」は大きさは直径一四mm前後から六〇mm前後までに対応でき形においてもすべての形状に対応することが可能です。

 

六 終わりに

今回の地下式消火栓用マルチバルブキー「マルキー」は、日本全国の地下式消火栓すべてに使用することが可能なために、今後いつどこで起こるかもしれない大規模災害の応援出場に一〇〇%の安心を消防隊に与えてくれると確信しています。

 

秀賞概要(六作品)

低混合比率兼用ラインプロポーショナーの開発について

奈良市消防局 加藤 秀夫  辰巳 喜則  山本 郁也

 

改良内容

一 混合比率三%に加え〇・一〜一・〇%混合を可能とした。

二 ホースライン呼称六五及び五〇mm接続可能とした。

三 規格放射量を〇・二及び〇・四/minL対応可能とした。

 

改良前の問題点

一 三%又は六%混合比率の限定使用。

二 ホースラインが限定されている。

三 有効消火放射量の変化に対応できない。

 

改良後の効果

一 クラスA泡消火剤等(〇・一〜一・〇%)使用が可能。

二 B火災用消火薬剤(三%)の使用も可能。

三 ホースラインの使用選択が可能。

四 状況に応じた放射量選択が可能。

五 他の混合装置(方式)に比べ安価である。

六 取付工事等不要で設置は省スペースですむ。

七 吸液部及び差込式メス金具部先のスイベルが可能。

 

開発内容

主に北米ではA火災消火対策として低混合率水溶の消火剤を用い、消火効率、疲労軽減及び環境対策としてすでに使用されていることに着目し、数年に渡り、当局独自の様々な実験の結果、その効力の有効性を見いだしたため、効果的な利用を目的に使用方法もすでによく理解しているラインプロポーショナーによる活用を考えました。

低混合比率の設定に併せ、B火災用消火薬剤も使用できる混合率を設定すると共に、ホースラインの使用選択や放射量の変更対応等を可能とする構造にしました。

吸液の原理については従来と変わりありませんので、使用形態や活用方法について消防職員は周知のことと考えます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION