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消防職員のための法令用語解説

 

地方分権推進計画 (三)

 

八 地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等のあり方

(一) 地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等の基準

この基準として地方分権推進計画は、次の原則等を示している。

ア、 地方公共団体に対する国又は都道府県の関与の基本原則等

この基本原則等は、個々の法律で、関与等について定める以外は、次に定めることによるとしている。それは、次のとおりである。

(ア) 「関与」とは、地方公共団体の事務の処理に関し、国又は都道府県の執行機関(以下「行政機関」という)が、次に掲げる行為を行うことをいう。

a 地方公共団体に対する次に掲げる行為

(a) 助言及び勧告

(b) 資料の提出の要求

(c) 是正措置要求

(d) 同意

(e) 許可、認可及び承認

(f) 指示

(g) 代執行

b 地方公共団体との協議

c a及びbのほか、これらの行為に類する一定の行為

(イ) 法定主義の原則

地方公共団体に対する国又は都道府県の関与は、法律又はこれに基づく政令に定めのある場合でなければ、行うことができない。

これは、国又は都道府県の地方公共団体に対する関与について、法令の根拠がなければできないことを明言したものである。

現行の地方自治法では、機関委任事務について、大臣及び都道府県知事の一般的指揮監督権を定めているので、種々の指揮監督がなされてきた。この規定は、地方分権推進計画では削除されることになっている。このことから、今後は、より具体的な関与の方式が、法令で定められることになると考えられる。

(ウ) 一般法主義の原則

a 地方公共団体に対する国又は都道府県の関与は、その目的を達成するための必要かつ最小限度のものであり、かつ、地方公共団体の自主性、自律性に配慮したものでなければならない。

b 国は、地方公共団体の行政については、できる限り、地方公共団体の自治事務の処理について、助言及び勧告、資料の提出の要求、是正措置要求並びに協議以外の関与をすることのないようにしなければならない。

特に、地方公共団体の監督のための関与として行われてきた命令、指導監督等については、身分上の関係や国庫金の取扱に関連するものを除き、今後は、次に定める助言及び勧告、是正措置要求、指示によること。

全消会顧問弁護士 木下 健治

 

 

 

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