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二 出場選手名簿の提出

職員の中から選手の選考であるが、条件はさほど難しくなかった。

一、 少しでも陸上競技経験のある者

二、 現在ジョギングなどを心掛けている者

この二つの条件で、高校時代の陸上経験者・道内ハーフマラソン参加経験者・非番、公休日のジョギング常習者を四署の職員同士で探し出すのはさほど困難ではなかった。かくしてB中堅幹部職員の懸命の働きかけにより四署から八人の精鋭が出揃い、この時から大会コースの下見をして地元でアップダウンコースを想定した自主トレが始まった。昔取った杵柄をより所に目標の定まった練習は日に日に記録が伸びてゆく、真さに岩に立矢であった。晴れて八月に「一般男子の部」選手名簿を大会事務局に送り届けたのであった。

 

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三 レース状況

一一月一日(日)その日は、夜半からの豪雨に明けた小雨の残る曇天であった。午前八時、北海道駅伝最後を飾る「第16回南北海道駅伝競争大会」開催地の福島町に続々と人が集まり、参加チーム総数一二〇チーム(九部門別)の選手に応援を含めその数は裕に千人を越えていた。

我々消防チームの出場する一般男子六区間二六・八km部門の参加は、自衛隊関係・近隣町代表・OBの同好会等二二チームの強豪揃いである。

福島消防署前のスタート地点から一斉に第一区走者がスタートし、我が組合消防チームは最初は勢いよくトップ集団に入って沿道の応援団から盛んな声援を受けて健闘していたが、四km地点当りから次第に遅れはじめ、今期全道ベスト三の高校生チーム等に大きく離され一九番目で二区走者にタスキを渡した。

防火の願いを込めた「火の用心」のハチ巻きをなびかせた我がチームは途中一六位まで順位をあげる大健闘をみせたが結局は一九位でゴールをした。

 

おわりに

地域住民と一体となった消防行政を考えて初挑戦した大会であったが、職員が汗だくで渾身の力走を沿道に繰り広げたことで、終わったあとで「消防も走ったんだね、ご苦労さん」と何人もの人から労いの言葉をもらい、今まで以上に消防に対する親近感が町民の間に根付いたことを実感した。今後もこの大会に毎回参加し、少しでも成績を上げることにより一層の町民の信頼を得るものと確信した。また、選手は公務外の自費参加であり、各署長も完走者をタオルで出迎えるという手作り参加のこの駅伝にいろいろな面でかかわった四町の総ての署員が和気あいあいと「親睦と連帯感とやる気」が更に増したことは間違いなく、広域のスクラムが強固になる一つの大きな要因として大成功だった。今から後継者の育成に取り組んでおり、やがては町民の絶大なる信頼というメダル(三位まで)を掛けてもらえる日まで職員一同精進をして行く所存である。

(鳴海 幸司)

 

 

 

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