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一 夜間防火広報及び違法駐車パトロール

当消防本部では、平成三年一一月から土曜日、日曜日の午後七時〜九時迄の間、夜間防火広報及び違法駐車パトロールを警察、村交通安全協議会と連携を取りながら実施している。

この広報活動の発端は、平成三年九月の夜間、住宅密集地において発生した家屋火災で違法駐車車両があったため消防車両が罹災建物付近まで進入できず、消防活動に非常に障害となった。結果、隣棟まで延焼拡大し二棟が全焼、一棟が部分焼の被害が出た。その火災を教訓に夜間の違法駐車追放及び火災予防広報を行っている。又火災予防運動期間中及び年末年始は職団員、婦人防火クラブ員が交代制で、毎日の夜間広報を実施中である。

 

二 火災予防は幼児期から

子供による火遊び等の火災減少を図るために、当消防本部では、昭和五九年に幼年消防クラブを結成、現在では五保育園、約五〇〇人のクラブ員が活動中である。

クラブ員への指導は、消防職員がアニメによる映写を通し、正しい火の取り扱い方、マッチ、ライター等での火遊びによる火災現場の拡大写真等を使用し、火災の恐ろしさ、出火原因の説明により、子供なりに火事の怖さを知り、火遊びは絶対しませんと約束してくれる。他、毎年防火写生大会も実施している。

又管内では、各保育園、幼稚園を対象に防火映写会及び防火講話を実施中である。当消防本部管内では、幼年消防クラブ員による防火パレード、防火活動等の成果により子供による火遊びの出火原因が減少している。

 

三 住宅防火

当本部では、春と秋の火災予防運動期間中年末年始火災特別警戒期間中に防火チラシを作成し、住宅防火対策の推進と各防火対象物の防火管理体制の充実強化の向上のため、各家庭、各事業所へ職員及び婦人防火クラブ員による、防火チラシと防火用パンフレットを配布し村民の防火思想の高揚に努めている。また、独居老人宅の防火診断及び防火査察も期間中に婦人防火クラブ員と職員で実施し、独居老人世帯からの出火防止にもまい進中である。

当管内では在日外国人が、英国、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチン等一一か国より約一〇〇人が在住しているため、外国人向けの防火パンフレットの配布を、英語、ポルトガル語等のイラスト入り翻訳版を関係機関を通じて配布し火災予防に対し理解を求めている。

 

四 おわりに

予防広報は、即、火災予防に万端効果を得る事は出来ないかも知れないが、広く住民にその意識を高めてもらい火災の予防方法と初期消火の要領、避難方法、通報要領、災害時の対処方法等、消防予防広報業務に携わる職員の根気強さで、火災及び災害の低減のためにも、一方通行ではなくあらゆる手段を試行錯誤し、一人でも多くの住民に予防の大切さを認識させ、「だれもが安心して暮らせる地域づくり」を基本姿勢に今後も住民と密着した予防行政にまい進していきたいと思います。又、沖縄県下で初めて結成した我が幼年消防クラブ、及び婦人防火クラブの「火災予防」という主旨を原点に諸活動を続け地域の防火防災運動に活躍している姿に感銘を覚える今日この頃です。

(赤嶺 政則)

 

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