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表2 観察結果

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三 考察

本事例では、救命の鎖で最も大切な早期発見、早期通報が救命につながったと考えられる。

傷病者は、以前老人保健施設に入所し、現在、老人福祉施設に入所中であり、一時帰宅中の事例であった。

症状回復後、家族に対し、また同じ行為を繰り返すようなことを言っており、救急隊として複雑な気持ちになると同時に、高齢者と家族の関わりについての難しさを痛感した事例であった。

 

四 おわりに

秋田県では少子高齢化が大きな問題となっており、当消防本部の管内でも人口の六五歳以上を占める割合(高齢化率)が、平成七年が一八・九%、平成八年が一九・八%、平成九年が二〇・六%と増加傾向にある。

また、秋田県は高齢者の自殺率が全国平均より極めて高いという現状と、搬送される高齢者の割合も、平成七年が四一・三%、平成八年が四二・六%、平成九年が四四・五%と年々増加している。

本格的な高齢社会を迎えるにあたり、増加の一途をたどる救急事故に対し、地域に密着した救急業務を推進しなければならない。

(小野 博雄)

 

予防・広報

村内の火災〇をめざして

豊見城村消防本部(沖縄)

 

はじめに

当消防本部は、沖縄本島の南西部に位置し北西は、那覇市、東北は南風原町及び東風平町、南東は糸満市と接し、那覇空港とも隣接している。発足は昭和五二年四月で、単独の消防本部で、職員数四二人体制で業務を行っている。

管内の面積は、一七・七八km2で、沖縄有数の野鳥の生息地である漫湖に接している。

本村は現在、都市近郊型農業を取り入れ、野菜の生産量は県内一、また熱帯果樹マンゴー、花卉園芸においても県内有数の生産量を誇る。昭和四七年の本土復帰を境に県都那覇市のベットタウン化により人口が急激に増加する中、都市化現象も著しく進展し、現在では約四九、〇〇〇人を有する全国一ビッグな村に発展し、これから市昇格へ向けた変遷期にある。

それでは、全国で一番人口の多い村の予防・広報活動について紹介する。

 

 

 

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