・ 搬出方法に関すること。
・ 搬出後の保管場所に関すること。
・ 搬出の経路、搬出に使用する器材の点検及び維持に関すること。
・ 搬出に必要な教育及び訓練に関すること。
◎ 付近住民や自主防災組織との相互協力体制づくりの推進
万一の出火に備え、多くの文化財建造物においては、その規模や関係者等の実態に応じ、消防法や条例規定によるもののほかにも、各種防災設備の総合的整備を行っている。これらの防火対象物に対して消防隊が到着するまでの間、設置した防災設備を活用し、通報、避難誘導及び初期消火等が有効に実施され、人命及び建造物の被害軽減を図れるよう指導しているところである。
しかし、文化財建造物を災害から保護するためには、関係者等による防火管理体制の整備が最も重要であるが、先に述べた様々な問題点に対し、関係者等のみの取り組みによって対応することには限界があるため、文化財建造物が「地域が協同で守る財産」として地域住民の方々に認知され、災害発生時に地域住民が協力して当該建造物の消火、避難等の活動に携わるための協力体制を構築するように関係者が取り組んでいくことが望まれることから、文化財建造物の関係者等が取り組むべき方策として必要な指導をしている。
また、その一方では、地域ぐるみの協力体制を構築するために、年間を通じた諸施策を展開しているが、夏の文化財防火運動(七月一二日〜一八日)及び文化財防火デー(一月二六日)を中心とした文化財防火運動(一月二三日〜二九日)中は、特に啓発活動や広報活動を通じ、文化財防火思想や愛護思想の高揚の促進を図るとともに、関係者や地域住民による多目的かつ実践的な消防訓練を定期的に実施するなど、出火の際の円滑な行動を確保する指導を併せて行っている。