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泉大津市消防本部(大阪)

 

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泉大津市は、大阪府の中央南西部に位置し、北及び南東は、高石市と和泉市、南西は大津川を境として忠岡町と隣接、東に和泉・金剛・葛城の連峰を眺め、西は大阪湾に面してはるかに六甲の山並みや明石海峡大橋・淡路島を望むことができる。本市の歴史は古く、奈良時代には、府中におかれた国の役所の外港として栄え、交通の要として天皇や国司、歌人らの往来も多く、中でも紀貫之の「土佐日記」でも"小津の泊""大津の浦"など名勝の地としてしばしば登場している。さらに地場産業の毛布は、真田紐の製造に始まり毛布の生産は、百数余年の歴史を育んで、現在では全国シェアーの九八%を占めており、臨海部では特定重要港湾堺泉北港を有する港湾都市として発展している。当本部の管内面積は一二・三km2と非常に小さいうえ全てが市街地を形成しており、人口は約七万三千人と人口密度の高い地域である。

本市の消防体制は、昭和二三年の消防組織法の施行により、当市消防本部も本年で五〇周年を迎えた。この様な市域情勢のなか、団員の高齢化と人員不足等により昭和四七年に消防団を解団し、現在は一本部・一署・一出張所、九〇人の職員で住民の負託に応えるべく消防・防災体制の充実強化を図っている。

・ 飲料水兼用耐震性貯水槽の整備

先の阪神・淡路大震災を教訓に様々な震災対策を行う中で、消防の生命である消火用水の確保が急務なことから、平成七年度より事業計画に着手、その際市水道局との間で双方が有効に活用できる「飲料水兼用耐震貯水槽一〇〇m3」について協議を重ね、平成八年度に第一号基として木造密集地域である旧市内に設置している。

・ ミニアラームで高齢者対策

高齢者対策のひとつとして、火災予防運動期間中に、独居老人宅を対象に、火災速知器(ミニアラーム)を台所等の天井部に設置するとともに有効期間切れ時に逐次更新し、高齢者の焼死防止対策を行っている。(写真)

・ きめの細かい広報活動!

当消防本部では広報活動にも力を入れており異常気象時はもとより、年末年始の特別警戒や火災予防運動時などに広報活動を行うほか、平常時には、火の取扱いの注意や就寝時の火の元の点検の広報を行うなど三六五日欠かさず何らかの形で市域全般にわたり広報活動を行っている。

また、市広報紙を利用して特集を組み消防広報を行うほか、サザンパレード、だんじり祭りをはじめ様々なイベントに参画し事あるごとに防災の大切さを訴えている。

この弛まぬ努力により、年ごとに火災件数が減少しており、まさに連日の指導、広報が奏功したものである。

・ より高い救命率を

平成七年度から高規格救急車の運用を行っているが、救急業務の高度化をさらに推進するため、救急救命士にあっては、生涯研修の一環として泉州救命救急センターへ毎月病院研修を行うとともに、救急II課程を修了したものにあっても管内の医療機関で定期的に研修を行っている。

・ 和と協調で!

「和と協調」が大村消防長のモットーである。より良い人間関係を築くことが明るい職場につながると、消防長自ら事務室に赴き職員ひとりひとりに声を掛け「何かあれば返事ひとつで削ります。」と職員を暖かく見守っている。

また、「小さな消防本部ですが、そのぶん職員の意見が早く伝わるので意思の疎通が図り易く、一丸となって職務を遂行しています。」と職員に対して揺るぎのない信頼を寄せている。署内ではアットホームな雰囲気のなかにも、きびきびとした職員の動作が印象的であり、大村消防長のもと一糸乱れぬ行動力で泉大津市消防本部は安泰と確信した。

(笹目 雅晴)

 

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