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消防職員のための法令用語解説
地方分権推進計画 (一)
一 地方分権推進計画の法的根拠
地方分権推進法八条一項によると、「政府は、地方分権の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前章に定める地方分権の推進に関する基本方針に即し、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置を定めた地方分権推進計画を作成しなければならない」ことになっている。この計画は、地方分権推進委員会の勧告を尊重して定められる(地方分権推進計画法一〇条、一一条)。
これらの規定にもとづき、平成一〇年五月二九日に、「地方分権推進計画」が閣議決定され、同日国会に提出された。
二 地方分権推進計画の内容
地方分権推進計画は、第一 地方分権推進の基本的考え方 第二 国と地方公共団体との役割分担及び国と地方公共団体の新しい関係 第三 必置規制の見直しと国の地方出先機関の在り方 第四 国庫補助負担金の整理合理化と地方税財源の充実確保 第五 都道府県と市町村の新しい関係 第六 地方公共団体の行政体制の整備、確立 第七 地方分権の推進に伴い必要となるその他の措置より成り立っている。以下、その内容を解説する。
三 地方分権の基本的考え方
地方分権推進計画は、(以下「計画」という。)地方分権の基本的な考え方として、次の四点をあげている。
1] 国と地方公共団体は、共通目的である国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係である。
2] 地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力にみちた地域生活の実現を図る。
3] 行政の国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にする。
4] 住民に身近な行政を、できる限り身近な地方公共団体において処理する。
としている。以上のことから、市町村の役割が、重要になってくるといえるであろう。
続いて、計画は、「政府は、以下のとおり必要な法制上又は財政上の措置を講ずるとともに関係地方公共団体に必要な要請を行うしとしている。
四 国と地方公共団体との役割分担及び国と地方公共団体の新しい関係
国と地方公共団体との役割分担及び国と地方公共固体の新しい関係について、計画は、次の内容を定めている。
一 国と地方公共団体との役割分担のあり方
二 機関委任事務制度の廃止
三 地方公共団体の事務の新たな考え方
四 地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等の在り方
五 国と地方公共団体との間の係争処理の仕組み
六 従前の個別の機関委任事務の在り方
七 従前の個別の団体(委任)事務の在り方
八 地方事務官制度の廃止
九 権限委譲の推進
これらについて、引続き解説する。
全消会顧問弁護士 木下 建治