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現場到着 二二時四四分

鎮圧 〇時五〇分

鎮火 二時〇七分

(三) 焼損状況

木造二階建亜鉛板葺外壁下見板張一棟延二八四m2全焼

木造二階建亜鉛板葺外壁モルタル塗一棟一一三m2全焼

(四) 出場車両及び人員

消防本部 一一台 七七人

消防団 二四人

(出動車両及び人員はいずれも延数)

四 死傷者の状況

死者 一人(七七歳男性)

負傷者 四人(七六歳女性、消防職員三人)

 

二 活動概要

当市が保有する消防車両は、消防ポンプ車をはじめ、救助工作車、梯子車、広報車等四二台であるが、当番員で常時出動できる放水車両は一四台で、そのうち市中心部での火災の場合には、他市町との境界に位置する所属の車両は通常出動せず、一一台で対応することとなっている。

当日二二時二八分、第一現場からの出火報を受け、直ちに四台の消防車が第一現場へ向かった。ところが、二二時三二分、第一現場より約一km離れた第二現場からの出火報を受け、待機していた七台のうち三台を第二現場に急行させるとともに、第一現場へ向け出場中の一台を急きょ第一現場へ派遣、さらに別の三台を第一現場に増強派遣した。この時点で市中心部で残った車両は約六km離れた塩谷出張所のポンプ車一台となったため第三出動を指令し、非番員を招集して予備車八台の編成に着手した。

さらに二二時四二分今度は第二現場より約二五〇m離れた第三現場から出火報入電、残っていた塩谷出張所の一台を出動させるとともに、第一現場で消火活動中の一台を第三現場に振り向けたが、第二現場第三現場ともに火勢が強く延焼拡大、非番員の参集で編成を完了した車両を逐次両現場に出動させ消火活動に当たったが、一時はわずか一km内に三本の火柱が立つ異様な状況のため、多くの市民で現場付近も混乱し、消防車も立ち往生する始末であった。

 

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全ての現場で鎮火したのは、翌日の午前二時を回り、第二現場で足の不自由な主人が焼死、夫人と消防職員三人が負傷するという、痛ましい結果となった。

 

 

 

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