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また逆に、消防という職種では、事故・火災現場など臨戦体制下では専制的リーダーシップがもっとも効果的なリーダーシップの取り方ではあろうが、それが唯一のものではなく、状況次第では(平静な時・職場内にあっては)民主あるいは委任タイプが必要な時もかならずあるのだ。たとえば、リーダーの出張や研修で職場を留守にしたり、病気で入院したりした時には委任型の対応をする筈だし、自分が異動し、はじめての職場に赴任してきたような場合とか、三人寄れば文殊の知恵ではないが、よりよい方策を導き出す際には、専制的な対応より、仕事の流れや過去の経緯を踏まえ、間違った対応をしないために、民主的ないし委任的対応をするであろう。

状況によって対応を変えるべきなので、何のタイプのリーダーシップが良くて、ダメなタイプとは何か、など一概に言えないものなのである。その関係を簡単に示したのが図表2である。参照されたい。

とはいうものの、あるときには専制的に、時には民主的に、状況によって委任的に、と対応をしっかり認識・対応した上で千変変化させることは容易ではないはずだ。「俺につづけ!」という織田信長(専制型)、部下を誘導していく豊臣秀吉(民主型)、部下を信頼し大幅に任せていく徳川家康(委任型)という三人の異なった持味を、たった一人のリーダー(あなた)に持て!というに等しいものがあるからだ。

まずここではいま、リーダーに、「自らのリーダーシップ・スタイルを自己理解すること」を求めたい。その理由は後述するが、ここで、図表3について取り組んでもらいたい。あなたのリーダーシップ型はいかがだろうか。

 

図表2 3つのリーダーシップ・スタイルが効果をあげる状況

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