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また、消防署では、「豊肥消防一一九」の広報紙を、年四回発刊し火災予防の啓蒙を図りイラスト入り防火チラシも全戸配付を実施しながら、管内市町広報紙の火災予防啓蒙記事掲載の依頼を行っている。

 

二 幼年消防クラブ

幼年期から火に対する正しい躾を身につけさせ、将来、人命尊重、財産の保全を図る社会人としての素地を育成するため、出初式や防火パレードの参加、軽可搬ポンプ使用のチビッコ操法による放水体験等を実施している。

また、幼稚園では定期的に防火アニメの鑑賞、消防車、救急車の試乗をし交流を図っている。

 

三 婦人防火クラブ

現在九クラブ四二九人の会員で組織されている。女性は家庭にいる時間も長く、調理の機会も多いことからコンロの使用、雨天時の衣類乾燥によるストーブの出火等の基礎的な、ミスが無いよう、総会や各クラブの消火訓練等の折りに注意を呼びかけている。

消防フェスティバルでは、バケツリレーや軽食コーナーを担当している。そして、各市町の年頭の消防特別点検も参加し、点検に花を添えている。なお、昨年の第十三回全国婦人消防操法大会には、竹田婦人消防隊が大分県代表として出場し、敢闘賞を受賞している。

 

四 お年寄りを地域で守ろう

高齢者を地域で守ろうと、当管内の東部に位置する緒方町で、福祉関係者、消防、警察が一体となって、高齢者家庭を訪問活動する「こんにちは・あんしん隊」が平成八年一二月に結成された。

過疎化、少子化の影響で緒方町の高齢化率は、大分県一の三四%の割合をしめており、「こんにちは・あんしん隊」は、消防署、消防団、警察、地域福祉ネットワーク協力員、社会福祉協議会、民生児童委員らがチームを組んで町内の六五歳以上の独り暮らしや、高齢者世帯を定期的に巡回し、健康面、福祉面、火災予防の手助けや、高齢者を狙った悪徳商法の被害防止等の防災防犯の支援をする。

その後毎月二回、二班編成で全地域を一〇地区に割り順次巡回している。巡回訪問予定の二〜三日前に、対象家庭に社協、地区組合長を通じて、日時を連絡している。巡回者は、訪問家庭の高齢者が判るよう「こんにちは・あんしん隊」と書いたタスキをかけて訪問するという気配りをしている。

今では、高齢者の期待に応え十分な成果を上げている。今後も高齢化率は増加の傾向にあります。継続は力なりをもっとうに緒方分署職員も頑張っています。

その他の市町でも、高齢者安全福祉対策協議会、コミュニティセンター、在宅看護支援センター、老人クラブ、婦人連合会等々が、種々多様な形で連携をとり、身近な問題に、取り組んでいるのが現状である。

先ほど述べたように、全国的傾向でもある過疎化、少子化が進展する中、核家族化も急増し、高齢者及び独り暮らしの高齢者家庭が増加の一途をたどっている。

災害弱者の防火安全対策が、今後の予防行政にとって大きなウエートを占めるのは、間違いの無いことである。

 

おわりに

災害弱者を悲惨な火災から守るために様々な行政施策が検討されているが、組合構成市町が一体となった施策(緊急通報システム等の導入)の樹立、幸いにして当管内ではこの独居老人緊急通報システムが対象者全戸に完備され心強い限りである。地域住民との連携を図りながら、それぞれの役割分担を通じ、共助の精神で日常における安全の確保を最重点に、官民一体となって取り組んでいきたい。

(大塚 義徳)

 

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