近年では、江戸時代に温暖な気候を利用して開かれた塩田跡地にA(株)、B(株)、(株)C、D(株)などの企業が進出し、市勢を発展させる大きな原動力となっている。
消防の体制は、一本部、一署、一分署、二出張所、職員数一四二人で組織され、救急隊は各署所に一隊の計四隊で構成、救急業務に対処している。高規格救急自動車は平成七年一一月、一〇年二月に各一台を導入し救急救命士九人で運用している。
ここに紹介する事例は、保育園の園舎増築工事現場で、掘削溝内で作業を行っていた女性二人が、転落してきたパワーショベルカー(重量約六・五t)のアームの下敷きとなった救急救助事例である。
一 事故発生日時等
(一) 発生日時 平成九年一一月二一日(金) 一五時三三分頃
(二) 発生場所 防府市伊佐江町一一番四〇号 H保育園増築工事現場
(三) 気象状況 天候 雨 風向 東 風速一・八m/S 気温 一四・九℃ 湿度六八% 強風波浪注意報発令中
(四) 時間経過
覚知時分 一五時三四分
現場到着時分 一五時四〇分
第二出場要請時分 一五時五二分
第二出場到着時分 一五時五五分
救出時分 一六時〇九分
病院収容時分 一六時二〇分
(五) 要救助者
六五歳女性 右下部肋骨骨折
四四歳女性 圧死 一六時二五分死亡
二 出場状況等
出場人員・車両
第一出場
救助隊(救助工作車)一台 三人
消防隊(ポンプ車)一台 五人
救急隊(高規格救急車)一台 三人
第二出場
救急隊(救急車)一台 三人
三 事故概要
保育園の園舎増築工事現場において、作業中のパワーショベルガーが後退中、誤って基礎溝(幅五m深さ一・三m)に転落、ショベルカーのアームが基礎溝内でバラスを敷く作業をしていた女性作業員二人を直撃、一人は自力で脱出したが一人がアームの下敷きになった。
四 救助活動状況
「保育園の建設現場で作業中の重機が、基礎溝に転落し構内作業中の二人が下敷きになっている」との通報により出場。
出場途上、指令室から、「一人は自力脱出したが、残る一人は現在も下敷きになっている模様」との情報を得た。