火災
厳寒期の倉庫火災
釧路市消防本部(北海道)
はじめに
釧路市は、北海道東部の太平洋に面する位置に東西三二km、南北一六kmと横長の形状となっており、面積は二二二km2で大阪市の面積とほぼ同じである。
主な産業は、北海道における重要港湾、釧路港を擁し、国内屈指の水揚げ量を誇る水産業をはじめ製紙、石炭を基幹産業とし発展してきた。最近においては、釧路市の後背に広がる雄大な釧路湿原が国内最後と言われる国立公園に指定されたことから、観光を第四の産業として力を入れ、年間二六三万人が訪れる東北海道の中心都市となっている。
当市の消防体制は、一本部・三署、五支署、消防職員は二八一人、消防団は一団・一二分団・四特設部、消防団員は三五〇人で人口約二〇万人の生命と財産を守るために、日夜消防業務を遂行しているところである。
ここに紹介する火災事例は、旧釧路川河口に建つ倉庫群の一角に位置する大規模倉庫火災で、氷点下一五度の厳寒の中、消防職団員、延べ一三一人の不眠不休の消火活動により、鎮火した特異火災である。
一 火災の概要
(一) 出火日時 平成一〇年一月二〇日 二三時一五分頃
(二) 出火場所 釧路市浪花町三-一 三ツ輪運輸三号倉庫(木造トタン張り平屋、延べ面積六六一m2)
(三) 覚知時間 平成一〇年一月二〇日 二三時三三分
(四) 鎮圧時間 平成一〇年一月二一日 三時二五分
(五) 鎮火時間 平成一〇年一月二一日 七時二二分
(六) 気象状況 天候晴れ 気温氷点下一五度 湿度四九% 風向西 風速一・二m
(七) 死傷者等 なし
(八) 焼損面積 六六一m2
(九) 損害額等
建物 八、九七一千円
収容物 二七、六九九千円
合計 三六、六七〇千円
(一〇) 出火原因
漏電または自然発火の可能性が考えられるが、特定できないため不明である。
二 出動車両及び人員
・ 出動車 両指揮車(小型梯子車) 一台
タンク車 七台
ポンプ車 五台
救助工作車 一台
シュノーケル車 一台
ブレークスクアート車 一台
水槽車(一〇t) 一台
救急車 一台
・ 出動人員 延べ消防職団員一三一人
三 消防活動の概要
平成一〇年一月二〇日二三時三三分「浪花町三丁目三ツ輪倉庫火災」との出動指令により、署八台及び区域・隣接消防団二台が出動した。現場到着時、建物の南側入口と、屋根中央部分より火炎が噴出する等、火勢が強く、他への延焼危険も大きく一向に衰えない状況であったため、ブレークスクアート車及びシュノーケル車を含む署六台、団二台を特命出動させた。大量注水により消火活動(放水量二、一二二t)を行ったが、鎮火までに約八時間の長時間を要した。