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流危険渓流のほかに、土石流危険区域を設けたこと。また、都道府県知事は、住民が警戒避難に際し、迅速かつ適切に行動するため、土石流危険区域及びその周辺の地域を単位とする、土石流に関する自主的な防災組織を育成するよう市町村を指導するとともに、市町村の防災担当部局との連携、協力についても十分配慮するよう指導するものとする」等がある。このほかの細部については当該文書を参照されたい。

 

おわりに

平成九年七月一〇日、鹿児島県出水市境町針原地区で大規模な土石流が発生し、二一人の犠牲者を出す災害が発生した。現在、学会レベルでも議論のあるところであり、まだ未解決の部分もあるので、ここでは言及することを控えさせて頂いた。

この災害では、いろいろな問題点が浮き彫りとなり、建設省の通知文書のかがみにも、触れられている。

筆者はこの種の斜面の崩壊による、地すべり、山崩れ、崖崩れ、土石流などの災害は、その発生規模からみても、情報伝達の面からみても、避難基準雨量の決定法、ハザードマップの作成等、どれをみても市町村の課題であると考えている。都道府県では規模が大きすぎ、ましてや国の規模では無いと考えている。それほどに、災害の発生が限られた範囲にあって、捕捉の難しい一面をもっている。川の水が濁る、川の流量の状況が不自然に変化する、石の落ちる音がする、木の根の切れる音がする、崖から水が噴き出してくる、等々の言葉が伝えられるが、個々にみれば否定されるべきではないが、言葉だけが走り、豪雨時にそのようなことが判るのかといった疑問とともに、実体は役に立つかといった危惧を感じている。問題は上から与えられる情報でなく、市町村民が自ら造りだすものであって欲しいと切に願うものである。

 

理事会・謙議員会の開催について

(財)全国消防協会

 

一〇月一三日、福岡市で標記会議が開催され、会員所属消防本部の名称変更、評議員の推薦など六項目にわたる報告及び議案審議が行われた。主な結果は次のとおり。

○ 会員所属消防本部の名称変更等

(平成一〇年一〇月一日付)

朝霞地区一部事務組合埼玉県南西部消防本部

(四五〇人・埼玉)

朝霞市消防本部・志木市消防本部・和光市消防本部・新座市消防本部の四本部が組織統合された。

○ 平成一〇年度消防機器の改良開発及び消防に関する論文の応募状況

機器 九五点 論文 一〇点

の応募があった。

○ 平成一一年度全国優良消防職員表彰式及び第二八回全国消防救助技術大会の日程等

平成一一年八月一八日・一九日、横浜市で開催されることとなった。

○ 評議員の推薦

評議員として、愛知県一宮市消防長の河合良和氏が理事会で推薦され、会長が委嘱することになった。

○ 次期理事会・評議員会は平成一一年五月に仙台市で開催されることになった。

 

アジア消防長協会総会・アジア防災フェア'98の開催

─福岡市─

 

福岡市で、アジア各国の消防長が一堂に会する国際会議「第二〇回アジア消防長協会総会」及び「アジア防災フェア福岡'98」が開催された。

今回の総会は、一〇月一四日から一六日までの三日間、「シーホークホテル」を会場に開催された。日本を除くアジア消防長協会会員国からは七か国二地域の四七人、その他の国から一九か国四九人、日本からは四〇四人が参加し、合計二七か国二地域から五〇〇人が参加した。今回は、"二一世紀のアジアヘ─防災の絆"をメインテーマに、アジア各国が抱える消防防災上の課題について共に検討し、解決策を探るとともに、二一世紀に向けてアジア各国の消防防災機関による協調行動、相互支援をより促進するための防災ネットワークづくりを目指し開催された。

 

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第20回アジア消防長協会総会

 

 

 

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