(二) 要請に係る事務手続きの迅速化
応援要請に必要な航空消防応援要連絡表の記載必要事項について、要請医師に必要事項の聴取ができにくいおそれもあり、聴取の方法を事前に検討しておく必要がある。
(三) ヘリコプター救命拠点病院の受け入れ調整担当者の把握
拠点病院の医師及び看護婦等がヘリコプターによる救急搬送に関することについて周知していない場合も考えられることから、受け入れ病院のヘリコプターの着陸許可及びヘリポートからの搬送方法等について速やかに対応できる調整担当者等を事前に把握しておく必要がある。
おわりに
当消防本部では転院搬送が多い実態の中で救急車では搬送時間を要するため、今後ヘリコプターを利用することにより、搬送時間の短縮となり救命率が向上するものと確信する。
今回岡山県下消防相互応援協定に基づき、消防ヘリコプターを要請したのは初めてであり、相互の連絡体制の確立と周知徹底の大切さを痛感させられるものとなった。今後本事例を参考に関係行政機関及び医療機関との連絡体制を強化し、複雑多様化する救急事案に対応し地域住民の負託に応える所存である。
※ 参考
出動に係る時間経過
覚知 (A医院から) 一三時五七分
ヘリ隊出動要請 一四時〇七分
救急隊出動 (A医院へ) 一四時一二分
ヘリ隊出動(岡山 岡南飛行場発) 一四時一三分
救急隊現場着(A医院) 一四時一五分
救急隊現場発(A医院) 一四時二五分
ヘリ隊臨時ヘリポート着 一四時三〇分
救急隊臨時ヘリポート着 一四時三一分
ヘリ隊臨時ヘリポート発 一四時三五分
着陸許可 一四時四五分
ヘリ隊病院着 一四時五〇分
(角南 芳明)
予防・広報
平成九年度近畿府県合同防災訓練を振り返って
精華町消防本部(京都)
はじめに
近畿府県合同防災訓練は、阪神・淡路大震災を教訓として防災関係機関の連携を強化するため実施され、今回で三回目を迎えることになりました。
南部会場として、精華町と木津町が地震による被災地として選ばれ、特にメイン会場である国会図書館予定地では最初に両町の合同防災訓練を実施し、そこに緊急消防援助隊、近畿二府七県震災時等の総合応援協定に基づく訓練が展開していくようなシナリオを京都府から依頼されました。
今回の訓練では私を含めて精華町として二人の職員が南部会場の事務局員として担当することになりました。
私が所属する精華町は京都府の南端で近畿圏のほぼ中心に位置し、京阪神都市圏の都市近郊(京都、大阪よりおおむね三〇km圏内)として交通状況と立地条件に恵まれた地域で、二一世紀のパイロットモデル都市として建設が進む「関西文化学術研究都市」の中心に位置する人口二四、〇〇〇人、消防職員四二人の小規模な町です。
精華町が南部のメイン訓練会場として選ばれたことは、非常に光栄である反面、過去に実施した町の防災訓練とはあまりにも規模が違うのと、三回目を迎えたこの訓練も関係機関から今までの反省点を踏まえた完成度の高いものが期待され、大きなプレッシャーとなりました。
今回の訓練でのスタッフは木津地方振興局の総務課長を事務局長とし以下京都府二人、木津町一人、地元消防本部として精華町消防本部二人、相楽中部消防本部一人の合計七人