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消防職員のための法令用語解説

 

地方分権推進法 (一)

 

一 地方分権推進の動き

地方分権推進については、従前から、地方制度調査会の答申等、従来から各方面でいわれてきたところである。それが大きな流れとなってきたのは、平成五年頃からである。

 

二 平成五年の動き

平成五年二月に、経団連から「21世紀に向けた行政改革に関する基本的な考え」が出され、同年五月には、同じく経団連から「東京一極集中の是正に関する見解」が出された。

そして、平成五年六月に、衆・参両議院で「地方分権の推進に関する決議」がなされた。

この決議は、東京一極集中の排除・国土の均衡ある発展、ゆとりと豊かさの実感できる社会の実現にむけて、「中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている」としている。そして、「国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性・自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である」とし、「地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力をあげて断行していくべきである」と決議した。

平成五年一〇月二八日、第三次行革審が、最終答申を内閣総理大臣に提出した。その中で、「官から民へ」「国から地方へ」という視点から、規制緩和と地方分権を二つの大きな柱として取り上げた。

 

三 平成六年の動き

政府は、第三次行革審の最終答申を受けて、平成六年二月、「今後における行政改革の推進方策について」(「中期行革大綱」)を閣議決定し、地方分権の推進のため、大綱方針を、平成六年度内を目途に策定することとした。

平成六年九月、地方分権の推進に関する意見書が、地方六団体(全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村長会、全国町村議会議長会)より国会と内閣に対し、提出された。

平成六年一一月、総理府の付属機関である第二四次地方制度調査会が、地方分権の推進に関する答申を内閣総理大臣に提出した。

平成六年一二月、地方分権の推進に関する大綱方針が、閣議決定された。

 

四 地方分権推進法成立施行までの動き

平成七年二月二八日、地方分権推進法案が国会に提出された。

平成七年四月一四日、同法案は、衆議院で、全会一致で可決された。

平成七年五月一九日、同法案は、参議院で可決され、「地方分権推進法」が成立した。

平成七年五月一九日、地方分権推進法が公布され、地方分権推進委員会の委員を、両議院の同意を要する部分については、同日施行となった。

平成七年七月三日、地方分権推進法の残りの部分が、施行された。

全消会顧問弁護士 木下 健治

 

 

 

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