土佐三代祭りの一つ秋葉祭りの村として有名な仁淀村には、石灰の山として知られている鳥形山がある。
当消防本部は、昭和四八年四月一日発足し、消防団事務は除かれた組合消防である。現在は、一本部・一署・三出張所、職員四九名で消防業務に対応している。
当本部の広報は、救急・救助、警防予防を問わず年間数回、お知らせ、案内といった形式で、関係町村の広報紙面を割愛して頂いて、それに掲載している。
一 風水害に備えて
紙面による広報では、特にイラスト入りの広報を掲載している。台風銀座と呼ばれる高知県のこと、崖崩れ、山崩れ、地滑り、土石流などの雨災害が起こりやすいことから、これらの災害から身を守るため紙面を通じて注意を呼び掛けている。春秋の火災予防運動期間中は、焚火、タバコ、火遊びによる出火を防ぐよう防火看板を登山口に立てるなど、工夫している。
二 住宅防火・防犯一斉点検
当本部は全国でも有数の過疎地域・高齢者の多いところ。したがって、特に住宅防火診断に重点をおき独居老人世帯の訪問診断に力を入れている。最近では、職員だけの診断でなくホームヘルパー、民生委員、警察官の協力を得て、「住宅防火・防犯一斉点検」を実施し、成果をあげている。具体的には、防火診断で火災の危険性を知らせ気付いていただく。一方民生委員さんは心配事相談に乗って会話をしてくださる。警察官は、悪徳商法に騙されないように気を付けるように論し、また同時に緊急時の電話連絡先メモの備え付けをしてあげる等して、お年寄りになによりも安心感を与えることができ、行き届いた啓発活動ができている。
三 幼年消防育成活動行事
当本部では防火思想の普及並びに幼年消防クラブの防火教材として、不用になったゴルフカートを利用して、ミニはしご車を製作しました。時速二〇kmで自力走行できるほか、はしごは一般住宅の二階まで届く本格的な仕様となっています。
紙面による宣伝効果があって、早速園児たちが見学にきてくれました。無火災は、まず幼児教育から。当日は県下でも有数と自負する訓練場で救助訓練を見学した園児達。ミニはしご車をバックに放水訓練とご満悦でした。
とその時、緊急無線が入る。救急出場である。どうも人が何かに挟まれたらしい。続いて救助車も緊急出動となる。二分も経たぬうち、今度は油流出事故が発生したと続けて緊急無線が入る。直ちに調査隊も出動となる。思いもかけない連続出動に園児たちも、興奮した様子でした。それでも最後は、風船を片手に元気に「火遊びはしない。」と約束してくれました。大変忙しい撮影記念日となった一日でした。
おわりに
当本部管内は、過疎化高齢化が急速に進行している現状にあります。また救急出場から医療機関までかなりの時間を要することから、救急関係では、普通救命講習会を積極的に実施している。また、予防関係では、住宅防火診断の実施に特に重点をおいて広報・啓発活動を実施している。他にも幼年消防のクラブ活動及び自治会での婦人を対象とした座談会並びに消火訓練等も臨時に実施している。これからも地道な啓発・指導に心掛け、安全で災害の少ない地域づくりに精励していきたいと考えている。
(岡林 大助)